• 四日市競輪場開設74周年記念泗水杯争奪戦10/31〜11/3

後記 GⅢ 四日市 10/31

稀に見るサバイバル戦で完全優勝

神山拓弥

神山拓弥

決勝優勝写真
決勝優勝写真
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 あっと驚く4連勝。神山拓弥が、巡ってきたチャンスを1つも取りこぼすことなく、完全Vを決めた。
 眞杉匠を先頭に、北日本勢まで加勢して4車のラインが出来上がった。眞杉の先行一車とも言える構成だが、相手は輪界トップのオールラウンダー古性優作。神山が「古性君の飛び付きだけが怖かった」と言ったように、この構成だからこそ、一瞬たりとも気が抜けない戦いだった。
 「車番的にも、後ろ攻めにはなるだろうなと。もう、眞杉は超一流の自力選手なんで、判断も、要所の反応も、仕掛け所も良かった。すごい気迫で先行してくれて、古性君に飛び付かせないように行ってくれた気持ちが嬉しかった。さすがタイトルホルダーだなっていう走りでした。飛び付かれずに出切れたのがすべてだったと思います」
 赤板2コーナーからカマした眞杉のスピードが良く、前団に構えた古性も5番手に下げ切るしかない。古性が最終2コーナー過ぎから仕掛けてくると、神山は3コーナーでブロック。フカして駆けた眞杉はさすがに苦しく、神山は返す刀で前に踏み込んだ。四日市の長い直線を、一心不乱に踏んで、後続を退けてゴール。まさに全力を出し切った。
 「古性君を張って戻ったときに、(眞杉が)タレてきていた。昨日(3日目)と同じ感じで踏みました。余裕はなくて、4コーナーからめちゃくちゃ長く感じました。誰も来ないでくれと祈りながら踏んでましたよ」
 19年大宮記念以来、5度目のG3優勝は、本人も驚く完全優勝。関東の機動型が作ってくれたチャンスを、4日間無駄にしなかった。「恵まれた」と話すが、G1顔負けの豪華メンバーがそろった今節は、恵まれだけで勝てるような開催ではなかった。同地区の仲間に感謝しつつも、確かな手ごたえを口にした。
 「連日、森田(優弥)や、(鈴木)竜士や、眞杉が頑張ってくれて展開が向いた。(完全優勝は)僕が一番びっくりしてます。ここ(の開催)に来る前に、眞杉と一緒に街道でもがいた感じが良かった。それがかみ合ったのかなって思います。(前回から)中3日で脚力が上がることはないけど、眞杉と練習できて良い感覚がつかめた。眞杉はSSなんで、番手はなかなか回れない。少ないチャンスで結果を出せて良かったです。このメンバーで優勝できたことは、自信にもなりますね」
 眞杉や、吉田拓矢らの若手を中心に、関東勢は間違いなく勢いづいている。神山も、まだまだ老け込むような時期ではない。若手とともに切磋琢磨し、関東の一員としてビッグレースでの戦いに挑む。

 単騎の山田英明は、最終周回7番手の位置取り。大阪勢の仕掛けを追うと、2センターで空いた中のコースを踏む。稲川翔を外に張ってコースをこじ開け、2着に突っ込んだ。
 「(初手のイメージとしては)取れたところからっていう感じでしたけど、中団が取れた。山口(拳矢)君が突っ張るかと思ったら引いたんで、バックを踏むくらいならと思って内からいきました。(最終バックからは)あおりがすごかったですね。もっと早く行ってもとは思っていましたけど、我慢をした。最後は(コースが)空いたんで。もっと早く(コースに入って)行っていればっていうのはありましたけど、危ないかなと思った」

 古性の仕掛けに乗った*稲川翔は、3コーナーで外の山口拳矢をブロック。内から山田に当たられて、直線は伸び切れず3着だった。
 「(眞杉がカマしてきたときに)なにもすることができなかった。敗因の半分以上は僕にあります。1個タイミングがずれて、(ブロックするタイミングを)逃してしまった。そこがすべてですね。古性は(神山にブロックされていたが)あそこからが強い選手なので、自分は被らないようにと思って張ったんですけど、遅いですよね。(山田に間を割られてしまったことは)あんなところで空けてしまっている自分が悪い。もっと信頼してもらえる選手になれるように頑張ります」

Race Playback

レース展開4
 同県の眞杉匠選手の先行に乗った神山拓弥選手。古性優作選手のまくりに合わせて番手から踏み出して完全優勝を果たした。

レース経過

誘導員 : 皿屋豊

 号砲で浅井康太が飛び出し、山口拳矢-浅井の中部勢が前受け。その後ろは古性-稲川翔の大阪コンビ、単騎の山田英明で、眞杉匠-神山拓弥-和田圭-佐々木雄一の東勢は後攻めで周回を重ねる。 青板3コーナーで眞杉から動くと、合わせて古性も動く。赤板経過で古性が先に前団を切るが、2コーナーからの山下ろしで眞杉が反撃開始。真杉は打鐘4コーナーで古性を叩き、東の4車が出切って最終ホームを通過する。2コーナーで5番手から古性が反撃に出て、山口も8番手からまくる。外々回された山口は苦しかったが、古性は3コーナーで神山の外まで上がってきて、神山はこれにけん制を入れてから2センターでタテに踏み出す。これで古性は伸び切れず、山田、稲川が直線鋭く迫ってくるも、神山は追撃を許さなかった。

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