• 佐世保競輪場開設75周年記念九十九島賞争奪戦12/4〜12/7

インサイドレポート・シリーズ総評

ピックアップ GⅢ 佐世保 12/04

 現S班4人が参戦した九州地区では今年最後の記念は、地元の九州勢が4車で結束。番手の荒井崇博が人気を集めたものの、終わってみればS班から2人が優出してタッグを組んだ中四国ラインの松浦悠士が優勝した。シリーズの4走で3日間バックを取り、それなりの存在感は見せた新山響平だったが決勝進出もかなわずの未勝利。来年は3年連続で守ったS班の座を明け渡すことにはなったが、ラストG1、競輪祭の直後の今シリーズに前を向いた。「今年はパワー不足も感じたし、新たに始めたトレーニングもある。(試行錯誤のなかで)一時的に成績が落ちることもあるかもしれないけど、もっと強くなれるように」と、あくまで先を見据えてのシリーズだった。

藤井昭吾

藤井昭吾

 年末のグランプリに、大挙4人が出場を予定している近畿勢。その4人が不在で厳しい戦いを強いられたシリーズだった。一、二次予選、準決と岡崎智哉、村上博幸、稲川翔を背負って立ち回った藤井昭吾は、3着だったが、成績面以上の動きを見せた。が、これで満足するわけにはいかない。

 「もっと隙のない走りをしたかったけど、今日(最終日)もアカンかった。判断も脚も物足りなかった。準決が(内容としては)最低限だし、もっといいレースをしないと任せてもらえない。(村上)博幸さんとに二次予選は流れ込みみたいだったし、あれで博幸さんとワンツーができないと。とくに後ろの選手も納得できる判断ですね。(走り終わって)こうしておけば良かったっていうのがないレースをしないと。トップクラスには自力では通用しないけど、しっかりと位置を取って仕掛けるっていうことをやっていかないとダメですね」

佐藤友和

佐藤友和

 今シリーズも2勝をマークした佐藤友和は、10月の大宮で1年以上ぶりの優勝を飾ると11月の大垣、取手でも優勝とVラッシュ。昨年こそ一度の優勝を経験したが、それまでは4年以上も優勝から遠ざかっていた。そうそうたる88期のタイトルホルダーのなかの一人でもある佐藤の復調の要因はなんだったのか。

 「(最終日は飯野祐太が仕掛けを)見たいところだけど、ああやって行ってくれる気持ちがうれしい。それは結果がどうとかじゃなくて、あれが競輪だなって思います。自分はいろいろ変化がありすぎて、(好調の大きな要因の)その1つは師匠(佐藤幸博)がつくってくれた車輪ですね。落車したオールスターのあとから、その車輪にしたら全然、違う。あとは若い人の後ろでみっともない走りはできないし、同期の南(修二)さんがああやってキャリアハイの成績を残していると、自分もいい刺激をいただいてスイッチが入りますね。1走、1走には集中していても、22年選手をやってきて、中だるみみたなものもあった。そういうものがあったけど、いいタイミングでいろいろ刺激をもらえたことは大きい」

阿部英斗

阿部英斗

 年末にはヤンググランプリを控えている阿部英斗は、最終日にまさかの一般戦回り。初日から積極的に仕掛ける姿勢を見せたが、最終日は成績にこだわり、まくりで白星を挙げた。

 「(最終日は)樫山(恭柄)さんが勝ちにいけって言ってくれた。ヤンググランプリ前ですし、勝つ競走を思い出してって。それまでは内容にこだわっていた部分もあったけど、今日(最終日)は着にこだわった。(調子も)悪くないと思っていたんで、踏み出しとかも悪くなかった。(3日目までは)展開が下手だったけど、仕上がりは悪くないですね。最終日だけ(フレームを前回使っていたモノに)換えました。(3日目まで使っていたのは)まだポジションが出てない。(4日間のシリーズで内容にこだわったり、最終日は1着と取れて)成長できた開催かなって思います。(ヤンググランプリはどうするか同県の梶原海斗とも)まだ話してない。できることをしっかりとやって、調整をしたい」

山崎歩夢

山崎歩夢

 最終日こそ突っ張り先行で押し切ってシリーズ初勝利を挙げた山崎歩夢だったが、別線にまくられるシーンも多かった。それだけに状態が気になるところだ。

 「4日間、先行できた点は良かったけど、見ている人がビックリするような逃げ切りがない。それが自分の現状だと思います。でも、いまのスタイルを崩すつもりはないですし、あとは1月の(平の)地元記念に向けて仕上げていきたい。今回はセッティングをいろんな人に見てもらって、自分の好きなポジションがわかってきた。そこは収穫だと思います。落車して、その前の状態に戻そうと努力してたし、ちょっとずつ戻っているけどまだ足りない。練習はできているけど、強くなるにはなにかを変えないといけないと思っています」

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