松本貴が勝機をモノにする
松本貴治
競輪祭の結果によって、出場の有無や調子の評価等色々と変わってきそうだが、現時点では犬伏湧也、松本貴治、清水裕友とそろった中四国勢を中心にしたV争いとなろう。本命に推すのは松本だ。7月の当所MNをはじめG3でV3を達成した昨年と異なり今年は記念優勝を果たせていないものの、オールスターで決勝に乗り、寬仁親王牌も優参して準Vで、グランプリ出場を懸けた賞金争いを最後まで演じる一年になった。寬仁親王牌の決勝は犬伏が勝負所で後手を踏む厳しい展開をリカバリーする鋭脚を発揮したが、ここは犬伏も平常心で力を出し切る競走を心掛けよう。まずは犬伏の踏み出しに置いていかれないように集中して、ゴール前で逆転だ。犬伏の押し切りも互角の評価。4月に急遽S班に昇格したが、競輪祭まで責任感を持って走り抜き、記念をV1、準V3回、寬仁親王牌で決勝に乗り、賞金ランクでも上位に付けた。緩んだタイミングを逃さず、一気のカマシ、まくりを決めて首位獲りといくか。今年は犬伏の番手で記念を2回優勝している清水だが、2人と同乗なら別で自分でやるだろう。今年は本人の中で手応えを感じないままの一年だったようだが、自力攻撃はやはり力強いし、賞金ランクも悪くない位置に付けていた。優勝する資格は十分だ。
荒井崇博
地元は荒井崇博、山崎賢人、井上昌己がそろい踏み。地元記念にめっぽう強い荒井と井上の存在は頼もしい。ベテランになって自力の決まり手はなくなった荒井ながら直線での伸びは申し分ない。目標次第で今年も主役の座を奪い取る。井上10月当所を貫禄のV。毎年ここにはしっかり仕上げてくるので怖いだろう。ただ、ラインの浮沈の鍵を握りそうなのは先導役として期待を集める山崎賢人のデキ。誘導妨害の失格のペナルティーがあって、競輪祭が4カ月ぶりの復帰戦だった。脚的には問題なさそうだが、レース勘や鉄のフレームへの慣れは問題になりそう。それでも一年を締めくくる一戦に気合を入れて臨むし、V争いには加わってくるか。
新山響平
もちろん、新山響平も有力なV候補。ダービーで優参した以降はビッグで勝ち上がれなかったとはいえ、白星は多かった。また、記念開催では、北日本作戦を実らせて古性優、郡司浩らを破り10月松阪記念を制している。先行力の高さは相変わらずで、最後までグランプリ出場を争った一人だ。佐藤慎太郎らとの北日本ラインも魅力的だろう。
坂井洋、神山拓弥の栃木コンビを筆頭に、佐々木悠葵、高橋築らと関東勢もなかなかのラインナップで臨む。中でも神山は11月四日市記念を完全Vと差し脚が冴えている。目標には事欠かなそうで、チャンスが巡れば逃さない。
根田空史、佐々木龍らの南関勢、志田龍星が率いる中部勢、今年の成長株の脇本勇希と村上博幸、稲川翔の近畿勢。それぞれ台風の目となる可能性は十分で、勝ち上がりから動きは追っておきたい。