平原康多率いる関東勢
平原康多率いる関東勢がシリーズをリードする。平原は10月熊本記念、大垣記念ともに準優勝だったが、熊本記念の前に「オールスターで試してよかった部分と5月までのセッティングの両方いいところを取った」と話すように2場所ともに軽快な動きを見せていた。大垣記念決勝で先着を許した深谷知広がシリーズ最大のライバルとなるが、迎え撃つ態勢は整っていると言っていいだろう。レース展開に応じた多彩な組み立てでグランプリにつながる走りを見せる。後閑信一は東京に移籍後6戦で4Vと、この大会では無類の強さを誇っている。最近は再び自在戦が増えているが、今シリーズは平原をはじめ関東の機動型は豊富。自力でタテの脚を磨いた成果がここで発揮されそうだ。地の利も味方につけて通算6度目の大会制覇を狙う。
深谷は10月大垣記念で今年初優勝。昨年のオールスターで鎖骨を骨折してから、この1年は成績の浮き沈みが激しかったが、勝負の競輪祭を前にようやく結果を残せた。これで完全復活と見るのはまだ早いかもしれないが、復調へ大きなきっかけにはなったはず。来年のスタートダッシュを決めるためにも終盤戦は一戦たりとも気が抜けない。林巨人は10月熊本記念で優出するなど成績は高いレベルで安定している。ここは同県の深谷という絶好の目標がある。勝負強さを発揮して上位進出なるか。ベテラン山口富生も条件は同じ。オールスター、大垣記念で見せた堅実な走りを再現したい。
平原、深谷のSSコンビを倒すなら北日本勢か。佐藤慎太郎はオールスターで失格、大垣記念で落車と流れこそ悪いが、ギア規制がかかった今年はそれまでのうっ憤を晴らすような走りを見せている。佐藤にとって守澤太志、飯野祐太の存在も頼もしい。守澤はオールスターで2度落車した影響を全く感じさせない走り。むしろ熊本記念、名古屋の走りを見るかぎり調子は上向きだ。飯野も破壊力健在。タイミングを逃さず仕掛けることができるかが勝負の明暗を分けそうだ。
南関勢は桐山敬太郎、片寄雄己と機動型がそろっている。桐山は7月寬仁親王牌の落車で右手中指の腱を断裂したが、復帰3戦目のオールスターで決勝に進出。片寄も先行主体の組み立てで、ペースに持ち込んだときの粘りは強じんだ。差し脚好調な松坂英司はタイプの違う2人の機動型と息を合わせて強敵に立ち向かう。ここに熊本記念で落車した松谷秀幸も加われば、他地区に負けない戦力が整う。
山田久徳、岡崎智哉と近畿勢にも上位を狙える機動型は多い。ともに調子は悪くないだけに、そろそろGレースで結果が欲しい。
九州勢では小川勇介。地元ビッグに向けて仕上げた成果がここでも出せれば好結果が期待できそうだ。