武田豊が貫禄を示す
武田豊樹が主役を務める。今年は6月高松宮記念杯で通算6度目のG1制覇。9月のオールスターでは落車に見舞われたが、10月は熊本、函館と記念を連覇して王者の威厳を示した。さらに競輪祭も歩みを止めることなく今年の2度目の特別制覇と最高の結果。年末の京王閣グランプリへ、脚も気持ちも仕上がってきている。今シリーズはグランプリを見すえた大事な4日間。集中力を高めて戦い抜く。茨城同士の芦澤大輔が武田をアシストする。9月青森記念に、11月豊橋と今年は2度のG3優勝。高いレベルで戦歴は安定している。ここは尊敬する先輩の後ろで気迫の走りを披露する。そして、芦澤の豊橋G3優勝の立役者となるなど本格化気配の吉澤純平が優参なら、武田、芦澤には更なる追い風となる。自在型の木暮安由の動向も見逃せない。
浅井康太は究極のオールラウンダーとして、安定感抜群の成績を残している。競輪祭も急成長の竹内雄と連日タッグを組むという最高のお膳立てを生かして着ときっちり優参。7月四日市以降は記念Vから遠ざかっているので、優勝で年末の大一番へ弾みをつけたい。
川村晃司、村上博幸の京都コンビもV争いに加わってこよう。川村は8月豊橋記念での落車骨折の影響を最早感じさせない力走を披露している。競輪祭では後半2日間を逃げ切り連勝で締め括り、良い流れでここに乗り込んでくる。一昨年大会をVと相性抜群の地で輝く。村上は競輪祭で決勝進出。二予では稲垣裕を利して1着も取っている。度重なる落車に泣かされ続け鎖骨骨折もあった一年だったが、最後にS班らしさを取り戻した。絆の強い川村と強力タッグを組んで、今年初Vに挑む。
九州勢も戦力は充実している。ラインを束ねるのは地元エースの井上昌己だ。寬仁親王牌での落車が響いてか、近況は目立った活躍こそないが、地元記念なら話は別だ。昨年の当地記念は完全優勝。九州4車で結束した決勝は中川誠の先行に乗ってチャンスをものにした。今年もラインの結束力で他地区に抵抗する。井上が頼りにするのは吉本卓仁や山田英明だ。寬仁親王牌でタイトルホルダーの仲間入りを果たした園田匠や底力ある荒井崇博ら実力者が井上を盛り立てる。
岩津裕介も侮れない。S班として迎えた今年はプレッシャーを力に変えて奮闘。記念戦線では常に優勝争いを演じていた。今シリーズも地区的なハンデはあるが、メンバー、展開に応じて柔軟な立ち回りを見せる。
北日本勢も軽視は禁物だ。櫻井正孝は10月大垣で記念初優出。11月小倉は無傷の3連勝でS級初優勝を飾った。勢いそのままに今シリーズも突っ走る。和田圭は10月小倉、11月防府とF1を連覇し、今期だけで4V。相変わらず差し脚は冴えている。