地元は譲れない平原康
今年も地元エースの平原康多が4日間、主役の座を全うする。昨年は安定感抜群の成績。7月の練習中に右手首を骨折するアクシデントに見舞われたが、強じんな精神力で乗り越えた。11月の小倉競輪祭では圧巻の走りを披露。決勝は惜しくも武田豊に交わされたとはいえ、文句なしの強い内容だった。昨年の当地記念は2段駆けの南関勢を粉砕して見事なV。今年は昨年以上の手ごわいライバルがそろったが、6度目の大宮記念制覇へ全力を注ぐ。レジェンド神山雄一郎が平原のアシスト役。昨年は4月の共同通信社杯を制して最年長ビッグ制覇の記録を塗り替えた。平原とは年末の京王閣グランプリに、年頭の立川記念、そして今開催と同じローテーションだ。グランプリでは勝負所で平原の仕掛けに踏み遅れ、浅井康太に平原マークを手渡した。その悔しさはここで晴らすしかない。池田勇人はスランプから抜け出し、徐々に本来の輝きを取り戻している。当地記念2度目の決勝進出は最低限のノルマだろう。
関東勢にとって最大の脅威になるのが深谷知広、浅井の中部コンビ。どんなメンバー構成、展開にも順応できるのが浅井の強みで、グランプリも瞬時の判断に抜群の反応を披露。不発の武田豊を捨ててまくった平原の後位を取り切っての栄冠だった。ここは深谷とのタッグ。うまくリードして、一騎打ちに持ち込むのが理想だろう。“最強の1番車”を目指し、今年はこの大宮からスタートを切る。一方、深谷は昨年の特別競輪で1度も決勝に乗れずに、5年連続のグランプリ出場を逃してしまった。これでSS班の座からも陥落。不本意なシーズンに終わった昨年から心機一転、ここから再始動だ。12月伊東記念は豪快なまくりで優勝。昨年終盤に入り、ようやく復調した。強い深谷の復活をファンは待ち望んでいる。
佐藤友和の一発も侮れない。9月オールスター後に体調を崩して長期欠場したが、競輪祭で復帰してからは一戦ごとにリズムは回復している。本来のスピードさえ戻れば好勝負は間違いない。連係実績豊富な内藤宣彦が佐藤をガードする。
九州勢も精鋭ぞろい。昨年7月の寬仁親王牌を制した園田匠はその後に落車が続いて低迷したが、強気のスタイルに変わりはない。ここは気心の知れた同門の小川勇介、山田英明らと連係して勝機を見出す。
村上博幸は競輪祭で久々のG1優出。昨年は度重なる怪我で苦しんだが、好調時の切れが戻ってきた。力をつけた三谷竜生が近畿ラインを引っ張る。
桐山敬太郎、勝瀬卓也、根田空史らの南関勢も軽視できない。桐山は昨年2月の全日本選抜でG1初優出。9月のオールスターでは2度目のファイナル進出を果たした。ここも自在戦で突破を図る。根田も12月久留米をVと健在。