トップスターが勢ぞろい
短走路を舞台に、トップスターがスピードバトルを繰り広げる。優勝争いをリードするのは中部勢か。浅井康太に、深谷知広、竹内雄作、金子貴志とタレントがそろっている。グランプリ王者として迎えた今年の浅井はビッグレースで結果を残せていないが、3月松山は無傷の4連勝で今年2度目の記念制覇。自力での強さは際立っているものの、番手戦もしっかりこなす。今シリーズは深谷、竹内の存在が浅井にとって頼もしい。深谷は3月名古屋、5月静岡とダービーを連続優出。他を圧倒する爆発的なパワーがようやく戻った。竹内は名古屋ダービーで3度目のG1優出。その後もF1シリーズで3連覇を達成するなど、輪界を代表する機動型に成長を遂げた。金子も名古屋ダービーでは半年ぶりのG1ファイナル進出。機動力もまだまだ健在だが、ここは弟子の深谷や信頼できる中部の後輩に前を任せることになりそうだ。
北日本勢も戦力は充実している。スピードスターの新田祐大がラインをけん引。昨年のMVPに輝いた新田は今年に入っても順調そのもの。全日本選抜、名古屋ダービーはともに決勝3着で表彰台に上がった。異次元のスピードで短走路を駆け抜ける。山崎芳仁が連係実績豊富な新田をガード。佐藤慎太郎、菊地圭尚の追い込み陣もしっかりラインを固める。さらに北勢は早坂秀悟、和田圭もと本当に層が厚い。
関東勢は平原康多、武田豊樹の両雄がようやくエンジン始動。平原は落車や失格など流れが悪かったが、夏場に向けて反撃態勢が整った。武田も今年前半戦は苦しんだが、3月玉野記念、4月高知記念で連続優出。高知の準決勝では待望の今年初勝利を挙げている。レジェンド神山雄一郎は48歳を迎えても衰え知らず。巧みなハンドルさばきと鋭いキメ脚を披露する。
近畿勢は総大将の村上義弘がラインを束ねる。村上義は名古屋ダービーを制覇。その後も高知記念を制すなど魂の走りでファンを魅了している。稲垣裕之は村上義とともに先導役の重責を担うが、全日本選抜決勝の落車から立ち直り、順調にリズムを回復している。稲川翔は4月川崎で記念初制覇。静岡ダービーも決勝進出と、差し脚の切れが戻った。村上博幸も静岡ダービーでは連勝で準決勝に進出と調子は上昇カーブを描く。
九州の追い込み勢も軽視は禁物だ。SS班の園田匠は今年に入ってパッとしないが、そろそろ本領を発揮したい。大塚健一郎の厳しいさばきとシャープな差し脚も健在。
原田研太朗も忘れてはならない。昨年はビッグレースで3度のファイナル進出。今年は1月の立川で記念初Vを飾るなど勢いは止まらない。小倉竜二の突っ込みも怖い。
南関からは郡司浩平が優秀競走にエントリー。地元地区の意地で一撃を決めたい。