平原康が率いる関東勢
平原康多が率いる関東勢が優勝争いをリードする。6月の高松宮記念杯からビッグレースで5開催連続の優出。3連勝で勝ち上がった9月の共同通信社杯は決勝で落車のアクシデントに見舞われたが、復帰戦の10月寬仁親王牌はケガの影響を感じさせない走りを披露した。単騎の決勝戦は俊敏な立ち回りで2着。惜しくも優勝は逃したものの、賞金ランキングを8位まで一気に押し上げ、年末の立川グランプリ出場がグッと近づいた。これから11月の競輪祭終了まで一戦一戦が勝負だ。状態面で上積みが見込めるうえに、新車も体にマッチしている。高い総合力でVへ一直線だ。平原とタッグを組むのは地元ホームの後閑信一。今年で46歳を迎えたベテランだが、闘志はまったく衰えていない。脚力もまだまだ健在だ。当地は3年前のオールスターでV、記念優勝5回の実績がある。度重なる落車で本調子とは言えない状態だが、そこは気持ちでカバー。平原と息の合った連係プレーで5年ぶりの地元記念制覇を狙う。木暮安由は地元の寬仁親王牌で散々な結果に終わった悔しさをここにぶつける。
浅井康太が関東勢の前に立ちはだかる。共同通信社杯は決勝で失格したが、続く寬仁親王牌でも優出するなど気配は良好だ。現在、賞金ランキングは6位。獲得賞金は7千万円を越えており、グランプリ出場はほぼ確実な情勢。それでも気は抜かない。当地は昨年のグランプリを制した思い出の地。その実力をシリーズを通して見せつける。近藤龍徳はビッグ戦線で安定した戦いぶり。追い込み選手として超一流の域に近づいている。決勝で浅井と連係できれば勝機は十分だ。
北日本勢は戦力が充実している。SS班の山崎芳仁はなかなかリズムに乗れないが、状態は確実に上向いている。今シリーズは新山響平や渡邉一成ら前を安心して任せられる機動型がいるのが心強い。渡邉はリオ五輪で結果を残せなかったが、これからは年末のグランプリに向けて、競輪1本に集中して取り組む。寬仁親王牌はシリーズ2勝。2日目からは3連続で番手を回ったが、今後はこういうケースも増えるだろう。新山は寬仁親王牌で準決勝に進出。着実にステップアップしている。底力ある佐藤友和も侮れない。
西の遠征勢では三谷竜生の存在感が光る。今年は3月の名古屋ダービーでG1初優出。9月の共同通信社杯は準決勝で落車してしまったが、寬仁親王牌で着と不安を一掃する走りを見せた。強力なタテ攻撃はもちろん、横のさばきもできるのが強み。混戦になればなるほど真価を発揮する。
松岡貴久の一発も侮れない。8月豊橋記念は初日からオール連対で準Ⅴ。その後も1着ラッシュだったが、9月静岡の決勝で落車。その影響で寬仁親王牌は動きが鈍かったが、きっちり修正してくるだろう。強烈なまくりを武器に記念初Vへ突き進む。
阿竹智史、筒井敦史の中四国勢も軽視できない存在だ。両者とも調子は上がってきている。