京都コンビがリード
強豪ぞろいの今シリーズだが、優勝争いをリードするのは稲垣裕之、村上義弘の京都コンビだ。稲垣は10月寬仁親王牌で悲願のG1制覇。3月名古屋ダービーを優勝している村上と挑む、2年連続のグランプリへ集中力は高まるばかりだ。稲垣は当所との相性も抜群。昨年4月の共同通信社杯をはじめ、過去に5度走って一度も決勝戦を外していない。村上はギックリ腰の影響もあってか6月久留米記念以来4カ月近く勝ち星から遠ざかっているが、6月高松宮記念杯からG1戦3連続優出するなど底力は健在。競輪祭、そしてグランプリへ向けて、一戦一戦力を出し切るだけだ。鎖骨骨折で戦線離脱中の稲川翔が復帰すれば、さらに強固な近畿ラインが形成できるだろう。
期待したいのは竹内雄作だ。「腰を痛めて練習できなかった」と話す寬仁親王牌でも3度の確定板にあがるなど実力はG1優出クラスにも引けを取らない。昨年、当所で開催された共同通信社杯では2日目の1着以外は大敗続きだったが、その頃とは明らかに強さが違う。9月富山の共同通信社杯を制すなど動き出しの早い33バンクは得意とするところ。別線の機動型との争いを制して記念初優勝を狙う。山内卓也の寬仁親王牌は展開負け。ここは竹内、そして近畿勢との連係が可能なだけに、結果を残して流れを変えたい。
迎え撃つ瀬戸内勢は岩津裕介を軸に結束する。岩津は8月松戸オールスターでG1初優勝。前回の寬仁親王牌では二次予選9着もあったが、シリーズ2連対と戦える状態は維持している。機動型は原田研太朗、松浦悠士とタイプの違う2名が参戦。原田は7月小松島記念の落車で調子を落としていたが、3勝を挙げた9月共同通信社杯から調子を戻している。寬仁親王牌からは落車で修理に出していたフレームに戻してシリーズ2勝。いずれも33バンクでの結果という点も評価できる。松浦の自在性も瀬戸内勢の攻めにアクセントを加える。
9月岐阜記念決勝でもワンツーを決めた武田豊樹、吉田拓矢の茨城コンビも有力なV候補。武田は3年連続のS級S班へ11月が正念場。勝負は競輪祭で決まるがここで優勝しておけば可能性はグッと高まる。吉田は富山、前橋でビッグレースを走るなど33バンクでの感覚をつかんでいるはず。積極的な攻めで武田を振り切れれば記念初優勝だ。
北日本勢はなんといっても成田和也だ。10月小田原決勝ではパーキンス、ドミトリエフの外国勢を相手に鬼の中割り。鋭いキメ脚が戻ってきた。
末脚という点では園田匠も魅力。次節に控える地元ビッグへ好成績を残して弾みをつけるか。南関勢は郡司浩平が中心。争覇級からは外れたが松谷秀、山賀雅らこの地区には力のある選手がそろっている。