熾烈を極めるV争い
17年のグレード戦線の開幕戦だ。年末の立川グランプリに出場した4選手が中3日で参戦。ここ立川から始動する。Ⅴ争いをリードするのは総合力一番の平原康多だ。16年は度重なる落車に苦しみながらも試行錯誤を重ね、さらなる進化を遂げた。11月の小倉競輪祭では圧巻のパフォーマンスでⅤ。抜群の勝負強さで7度目のグランプリチケットを手に入れた。最高の状態に仕上げて臨むグランプリから中3日なら、その流れを維持できそうだ。メンバー、展開に応じた変幻自在の走りで混戦を断ち切る。後閑信一、岡田征陽は地元で奮起。後閑は4年連続、立川で走り始め。16年後半は調子を落とした時期もあったが、11月平ではオール連対で優勝、12月伊東記念は2着で決勝進出していて、好調時の動きを取り戻しつつある。岡田は10月京王閣で地元記念制覇。11月川崎の準決で落車したが、大きな影響はなさそう。17年は初戦から飛ばしていく。関東ラインをけん引するのは吉田拓矢やホームの河村雅章。吉田は競輪祭で着と大暴れ。伸び盛りの新鋭はまだまだ成長途上の段階だ。立川の長い直線も苦にすることなく、思い切りよく攻める。
新田祐大が関東勢の独走にストップをかける。6月の高松宮記念杯で3つ目のタイトルを獲得。ダッシュとスピードは輪界ナンバーワンだろう。圧倒的な爆発力で17年もグレード戦線を引っ張っていく。新田の番手は佐藤慎太郎の指定席だ。近況は目立った活躍こそないが、差し脚は安定している。競輪祭の準決で連係失敗の借りはここで返す。
近畿勢も充実の布陣だ。稲垣裕之は10月前橋の寬仁親王牌で悲願のG1初制覇を達成し、2年連続のS級S班を決めた。競輪祭でも単騎ながら決勝3着と好走している。今シリーズも強い責任感を持って4日間を戦い抜く。三谷竜生はG1開催でも存在感を示していて、充実一途の近況。自慢の機動力で白星を量産している。大ケガを乗り越えた市田佳寿浩は着実に脚力を戻していて、G戦線で完全復活が期待される。
深谷知広も有力なV候補のひとりだ。16年はビッグレースで5回のファイナル進出を果たしながらも、決勝はいずれも大敗を喫したのがたたり、グランプリ出場を逃してしまったが、その悔しさをぶつける。図抜けたトルクは冬場の重い立川バンクもなんのその。抜群の相性を誇る当地でスタートダッシュを決めるか。吉田敏洋が追加参戦。昨年はあと一歩のところでグランプリ出場を逃したが、自力で番手で安定した活躍を見せた。ここも深谷と愛知タッグを組んで優勝争いに加わるか。
岩津裕介は8月の松戸オールスターでG1初優勝。鋭いキメ脚は直線の長い当所向き。好調続く香川雄介の中四国両者は、どんな展開になっても最後はコースを探して突っ込んできそう。16年は記念優勝、高松宮記念杯準Vなど、ステージを上げた郡司浩平、差し脚が冴え渡る中村浩士の南関勢も軽視できない。