強力布陣の近畿ライン
昨年のベストナインのうち4名がここから新年のスタートを切る。シリーズをリードするのは村上義弘だろう。昨年3月に名古屋ダービーを制した後の村上は、なかなか調子が上がらなかったものの、安定プレーを演じて堅実に成績をまとめた。ここは連係実績の豊富な脇本雄太をはじめ、地元で気合充実の稲毛健太ら近畿の自力型がそろっている。近畿の固い結束を示して上位独占を目指す。リオ五輪参戦後の脇本は、優勝こそ豊橋エボリューションの一回だけだが、前橋親王牌では稲垣裕のG1初Vに貢献する逃走劇を見せるなど、自慢の先行力を遺憾なく発揮している。自己のペースで仕掛けられれば押し切っても不思議ではない。稲毛は昨年中盤は成績を落としていたが、徐々にスピードの切れがよみがえってきている。
対峙する武田豊樹は当所記念では素晴らしい成績を修めていて、61、63、65周年と3Vを達成している。昨年は競輪祭準Vでグランプリにかろうじて滑り込んだように不本意な年だったが、勝負強さは相変わらずだ。ここのところ番手を回るレースが増えているが、ここは自力勝負で活路を開く可能性もありそうだ。武田とタッグを組む神山雄一郎は、差し脚に好調時のような切れ味が影を潜めている。12月広島記念では最終日に意地の1勝をあげたものの、勝ち上がり戦では伸びを欠いた。武田次第ではチャンスも出てくるが、ものにするためには調子の上積みが欲しいところ。
グランプリ2015の覇者である浅井康太は競輪祭で落車。ケガはけっこう酷かったとのことで、体調は気がかり。一発勝負なのであまり参考にはならないかもしれないが、グランプリ2016での動きには注目しておきたい。体調に問題が無いようなら自在脚を発揮してV奪取も。 中川誠一郎も忘れてはならない。昨年は静岡ダービーでG1初V、リオ五輪出場、地元記念制覇と本業、競技ともに充実していたが、熊本地震による被災もあり激動の1年だった。展開に注文がつく嫌いはあるものの、仕掛けがツボにはまった時のまくりは破壊力には素晴らしいものがあり、混戦になれば一発怖い。