外国勢がバンクを席巻
今シリーズはシェーン・パーキンス、テオ・ボス、デニス・ドミトリエフの外国選手が登場する。3名ともに日本の競輪の経験は豊富。しかも、そろって5月平に続き今季2走目になるので、実力を存分に発揮する公算が大きい。ならば自転車競技では世界の舞台で活躍するスピードの差を見せつけて優勝争いをリードするとみるのが順当だろう。中でもパーキンスは今季が8回目の来日で、昨年までに30Vを達成している実績最上位の外国選手だ。特に昨年の成績は素晴らしく、25戦して21勝、2着4回と一度も連を外さなかった。初参戦のG3開催(昨年9月玉野で行われた競技支援競輪)でもマティエス・ブフリの仕掛けに乗って武田豊、渡邉一、原田研らの強豪を撃破し優勝した実績もある。日本選手に超ド級の自力型が不在のここはG3連覇も十分だろう。ロードレースからトラック競技にカムバックしたボスは、昨年は久しぶりの来日だったにもかかわらず、エボリューションを含み3V、準V3回とブランクをまったく感じさせない走りを披露した。外国ラインの番手回りが叶うようならG3初Vも大いにありそう。ドミトリエフも昨年はエボリューションを含み3Vを飾ったものの、滑り出しはあまり調子が上がらなかった。前述の9月玉野G3はパーキンスが優勝、ブフリが決勝3着と存在感を示した外国勢にあって、ただひとり一次予選で敗退を喫しただけに、今シリーズは雪辱を期し気合が入る。本調子なら優勝争いを賑わす。
先に書いたように日本勢にはG1優参級の自力型が不在なので、若手自力型に期待がかかる。中でも取鳥雄吾はここのところめきめきと力を付けている。4月高知記念では2着と記念2回目の優参を果たすと、同月静岡着、5月広島では3連勝でS級初Vを達成。阿竹智史、堤洋の徳島コンビが続けばラインもしっかりするので、中四国勢が打倒外国勢の一番手とみた。阿竹は調子が上向き。ダービーでは着で準決に駒を進めると、5月函館記念は決勝に乗っている。取鳥が主導権を握れば好勝負に持ち込める状態だ。
地元勢では川口聖二、森川大輔が注目株だ。5月川崎の動きはやや重かった川口だが、中部地区のF1戦はほとんど決勝に乗っているし、森川は4月松阪の準決では川口のまくりを差して勝っている。外国勢と力勝負では分が悪いが、巧く後方へ追いやれば台風の目と化す可能性も。
2月川崎、3月当所で優勝している堀内俊介にも魅力を感じる。トップスピードはもう少し欲しい気もするが、ペースで駆けると強靭な粘りを発揮する。しっかりしたラインが形成されるようなら怖い。
鈴木竜士は4月前橋で落車した影響は隠せず、ダービーはあまり振るわなかった。調子の上積み欲しい。