攻め口多彩な平原康
平オールスターの走りで多少評価は変わるかもしれないが、中心は競輪界を代表するオールラウンダー・平原康多で揺るぎない。平原は昨年の競輪祭、2月には全日本選抜を制し、G1連覇を達成。その後のダービー、高松宮記念杯でも決勝に乗っている。ビッグレースでの圧倒的な存在感が支持されて、オールスターでは初めてファン投票第1位に選出された。今節はそのオールスターから10日後の開催なので、オールスターに向けて仕上げた脚にはまだ貯金が残っているはず。力強さと巧さを兼ね備えた走りで主役を演じる。平原とは連係実績が豊富な神山雄一郎だが、体調には一抹の不安が残る。7月小倉は初日に落車した影響があったのか、準決は目標のブフリをまったく終えずに9着で最終日を欠場している。4月西武園記念では初日特選、2日目優秀、最終日特秀と三度、平原のまくりに続いて2着に入っているだけに、体調が戻れば関東ワンツーも十分だろう。
自転車競技との両立で出走本数は少ない渡邉一成だが、本業でも結果を出している。1月地元の平記念で優勝、伊東サマーナイトの決勝は、新田祐の上がり9秒1の超高速まくりに食い下がり準V。早坂秀悟と同乗なら前を任せるだろうが、今節は自力で戦う競走が多くなりそうだ。
地元勢はウイナーズカップの初代覇者となった郡司浩平が大将格。その後も4月川崎記念で優勝、6月富山記念、7月福井記念は決勝進出と成績は高いレベルで安定している。昨年後半からの南関勢躍進の立役者だけに、ここも強気の走りでラインを上位に導く。もう少し積極性が欲しい気がするものの、スピードの切れには素晴らしいものがある和田真久留、十八番のまくりは破壊力抜群の山中秀将ら南関には他にも機動型はそろっている。援護役はベテランマーカーの渡邉晴智だ。
好調と言えるデキではない竹内雄作だが、7月弥彦記念の2日目優秀では、稲垣裕、吉田拓、渡辺雄ら相手に逃げ切っていて、巧く主導権を握った時は強じんな粘り腰を発揮する。タイミングよく仕掛けて先制なれば好勝負に持ち込める。
九州には中川誠一郎、山田英明ら実力者がそろった。中川はようやく鎖骨骨折の後遺症が癒えた感があるし、山田はダービー、高松宮記念杯とG1連続優参を果たすなどステージを上げた。展開がもつれるようなら怖い存在となりそうだ。
今年はVがない岩津裕介だが、6月久留米記念、7月福井記念で優参していてまずまずの近況だ。中四国の自力型は、売り出し中の取鳥雄吾が目に付く程度だが、レース巧者ぶりを発揮して突っ込んでくるか。
近畿勢は横綱クラスは不在も野原雅也、稲毛健太ら生きのいいヤングレーサーが参戦。台風の目と化すか。