中部勢が総合力でリード
各地区から実力者がそろったが、総合力で中部勢がややリード。中でも、Vに一番近いのは浅井康太だろう。今年はVこそないが、持ち前の安定感は変わらず。オールスターの準決では、今回も連係が予想される深谷知広の難しい仕掛けを付け切って今年3度目のG1優出。さらに親王牌でも決勝に進出し、賞金でのグランプリ出場を確実なものにした。親王牌の決勝こそ別線勝負だったが、勝ち上がりでは連係した深谷と、今シリーズも息の合った連係からVをつかもう。その深谷は、復帰したナショナルチームのトレーニングを積んでレベルアップ。9月青森記念では、初日、準決と逃げ切りで勝ち上がると、決勝は高回転まくりで大会連覇を達成。続く親王牌でも優参を果たして現在の賞金ランクは7位と、3年ぶりのグランプリ出場が見えてきた。威力を増したタテ攻撃で別線を圧倒しよう。近藤龍徳は、深谷のアドバイスを受けて不調から脱出。中部ラインをきっちりと固める。
武田豊樹は全日本選抜を準Vなど、今年前半からビッグを4大会連続で優出。良い流れで後半戦に入った。だが、オールスターの準決で落車。2カ月ぶりの復帰戦となった親王牌では負け戦の1勝に止まったが、ここが正念場。脚もレース勘も親王牌よりは確実に上向いているはずで、当所でも活躍するだろう。今年は落車の多い吉澤純平だが、それほど影響はなさそう。9月青森記念のブロックセブンでは清水裕らに脚の違いを見せ付けて1着。さらに10月防府では格の違いを見せ付ける完全V。武田には弟子の存在は何よりも頼もしい。また、関東では追加参戦の木暮安由の存在も見逃せない。こちらもまたオールスターの落車から目立つヒットこそないが、親王牌でも2連対。茨城師弟コンビと連係でも別でも持ち前のタテヨコ厳しい攻撃でV争いに参戦だ。
地元勢は総力を結集して他地区勢を迎え撃つ。なかなか調子の上がってこない中川誠一郎だが、共同杯着、親王牌着など徐々に上向き。人の後ろを回るレースも増えたが、8月小田原記念や親王牌ではまくりで勝ち星と自力もまだまだ健在だ。合志正臣は9月立川をVなどキメ脚が冴える近況だったが、続く函館では落車し、親王牌を欠場。地元記念には何とか間に合わせたい。9月松戸記念で2勝、親王牌でも2度の確定版入りを果たした松岡貴久や、親王牌の2連対に、F1戦では無傷の優出が続く松川高大も地元記念に気合十分。さらに機動力ある北津留翼や共同杯で落車した山田英明も本調子を取り戻して参戦なら、強力な九州ラインが完成する。
近畿勢の中心は古性優作。3月松阪では浅井、深谷、吉田拓を破って2度目の記念V。さらに、ダービーで着など、G戦線でも輝きを放っている。タテヨコ共に磨きがかかり、今や近畿の主翼を担う存在までに成長した。親王牌から約2カ月半ぶりに戦線復帰し、準決で失格も、一次、二次予選を着と健在ぶりを再び示してここからまた巻き返す。力を付けた大竹歩が優出なら番手もあるし、南修二らを連れて強気に攻める。
共同杯を優出した松谷秀幸に、まくりが冴え渡る岩本俊介ら南関勢も侮れない勢力。他にも小松崎大地、飯野祐太の福島コンビが率いる北勢、小倉竜二の動向にも注目だ。