豪華メンバーの激突
好メンバーがそろった今シリーズ。それでも平原康多の存在感は際立っている。平原は1月立川記念を制し今年の好スタート。続く大宮記念では優勝こそ逃したが、圧巻の走りで勝ち上がりは3連勝を決めた。落車もあり、昨年後半戦は振るわなかったが、「感覚が戻ってる感じがする」の言葉どおり、あるべき姿を取り戻した。ここも高い総合力で優勝争いをリードする。吉田拓矢はあっせんがなかった1月の1カ月間で練習十分。ここまでに全日本選抜を走れるのならレース勘の不安もないだろう。今年は記念優勝、そしてタイトルを狙う1年になる。このメンバーで好成績を残せれば大きな自信になるはずだ。
グランプリ覇者、浅井康太が平原と人気を二分する存在だ。浅井もメンバー次第で自力、番手を使い分けられるオールラウンダー。直前の松阪記念は準決勝で失格となってしまったが、立川記念後に体調を崩した不安を一掃する走りを見せていた。浅井の不安要素は地元ビッグを走り終えた精神的疲労だけ。地元戦に向けて仕上げた状態を維持していれば平原と互角のV争いが期待できる。追加参戦の金子貴志が浅井とタッグを組む。
南関勢も粒ぞろい。他地区の強豪を相手に層の厚さで対抗する。なかでも地元記念に並々ならぬ思いで臨むのは渡邉晴智だ。伊東記念で悔しい思いをして、次のターゲットは今シリーズ。そこへ向け着実に調子を整えている。今シリーズも弟子の渡邉雄太に山中秀将、和田真久留と南関の自力型は豊富。2度目の地元記念制覇へ好条件はそろっている。渡邉雄は地元で悲願の記念初優勝を狙う。伊東記念決勝は単騎になっただけに、今シリーズはいかに南関の追い込み選手と勝ち上がれるか。強固なラインを作ったぶんだけ、自分自身のチャンスも広がる。岡村潤も好調を維持。南関勢で大挙して勝ち上がれれば、シリーズの勢力図は大きく変わるだろう。
村上義弘、古性優作の近畿コンビも侮れない。村上は和歌山、松阪と年頭の記念を連続優出。今シリーズも古性、野原雅也と近畿の機動型は多く、松阪記念で見せたように自力も健在だ。古性も柔軟なレース運びに加え、最近は積極的な走りも増えてきた。ここも前々に攻めのレースで同型を翻ろうする。
原田研太朗の一発も魅力。これだけのメンバーがそろいスピードレースになればなるほど持ち味が生きそうだ。落車、失格と流れの悪い桑原大志だがS班の意地を見せるか。
他にも小松崎大地、成田和也の北日本勢。松岡貴久、井上昌己に園田匠とスピードある選手がそろった九州勢もいるだけに優勝争いは激戦必至だ。