戦力充実の南関勢
地元、南関勢が渡邉雄太を筆頭に好メンバーをそろえて他地区の強豪を迎え撃つ。渡邉は昨年5月の名古屋で記念初優勝、さらに12月伊東記念も制すなど伸び盛りの若手。今年はさらに上を目指す戦いになるだろうし、そのためにも地元記念は獲っておきたいタイトルだ。名古屋、伊東は番手を回っての優勝だったが、今度は自力で。それだけの力は十分に備わっている。渡邉を援護するのは渡邉晴智、岡村潤だ。渡邉晴は年末から本来の切れを欠いている印象だが、ここは地元戦。弟子の渡邉雄や根田空史、桐山敬太郎とスジの目標は豊富なだけに、チャンスを生かせる状態に戻したい。岡村も条件は同じ。年末のグランプリシリーズでは渡邉雄太、晴智の3番手から突き抜けて優勝しており、ここもその再現を狙う。
浅井康太にとっても大事なシリーズになるだろう。11月競輪祭からの5場所で着外はわずかに1回という驚異的な安定感。今年も立川記念で準優勝、松阪記念で決勝3着と好スタートを切ったが、全日本選抜は準決勝で過失走行により落車、失格とまさかの結果に終わってしまった。体調面も心配だが、ここはファンの信頼を取り戻す走りに全力を注ぐだろう。一戦集中で鬼気迫る走りを見せてくれるはずだ。吉田敏洋は大宮記念の準決勝に落車しているが、幸い大きな怪我ではなかった様子。落車する前より練習の感じは良かったの言葉どおり、全日本選抜では決勝に勝ち上がっている。
近畿勢は古性優作、稲毛健太とタイプの違う機動型2枚がそろっている。古性は輪界屈指の自在型。巧みな位置取りにフィニッシュの切れ味は優勝候補の一角を占める。稲毛は記念の準決勝が壁になっている感じだが、ダッシュを生かす展開に持ち込めれば一発ある。ここに東口善朋も加われば強力なラインが完成する。
平原康多の欠場は痛すぎる関東勢だが、武田豊樹、吉澤純平に牛山貴広の茨城師弟トリオで意地を見せるか。武田、吉澤は全日本選抜の決勝でも連係している。吉澤は1月小倉の落車はあったが、全日本選抜ではセッティングなどを微調整しながら決勝戦にまで勝ち上がった。決勝戦では中川誠に力負けしたが、準決勝では今シリーズも対戦がありそうな渡邉雄に先着するなど優勝を狙える力があることは間違いない。武田も全日本選抜の準決勝で今年初勝利を挙げるなど着実に状態を上げている。決勝戦でも吉澤と連係ならチャンスがありそうだ。
中四国勢は原田研太朗の追加参戦で大幅に戦力がアップした。昨年後半は成績を落とした原田だが、練習方法を見直した成果がここへ来て成績として表れてきた。全日本選抜で準決勝に勝ち上がると、続く奈良記念でも無傷で決勝に進出。香川雄介、桑原大志ら追い込み陣も調子を上げているだけに、原田を先頭に侮れない勢力となりそうだ。