関東コンビに期待も激戦
S班に落車のアクシデントが相次いでいるだけに、ここは平原康多の総合力が中心となるか。とはいえ、平原も全日本選抜のあとにインフルエンザにかかって静岡記念を欠場。1カ月ぶりの実戦となった3月松山記念では決勝戦にこそ勝ち上がったが、シリーズを未勝利で終えている。松山で見つかった課題を修正できれば、安定した道中の動きにフィニッシュの精度も上がるはずだ。武田は松山記念の初日に落車したが、欠場することなくシリーズを走り切った。一昨年の骨盤骨折から一進一退の状況が続いているが、ここは平原という頼もしい目標があるチャンスを生かしたい。
近畿SSコンビは三谷竜生が全日本選抜の落車で左肩鎖関節を脱臼、村上義弘が玉野記念の落車でろっ骨を骨折している。ウィナーズカップの走りで状態を判断する必要はあるが、怪我の影響さえなければむしろここが本線と言っても過言ではない。三谷は今年まだ6走しかしていないものの、連対率は6割超え落車した全日本選抜でも好位確保から鋭く追い込んで初日特選を制している。村上は大宮記念、高松記念に全日本選抜と今年ここまで決勝に乗れていないが、今シリーズは三谷に野原雅也とスジの自力選手がそろう。頼もしい後輩たちに前を任せて、決勝そして優勝を狙う。
浅井康太は全日本選抜に松山記念と落車が続いている。松山ではろっ骨を骨折したが、早い段階から練習をはじめてウィナーズカップに備えてきた。静岡記念でも全日本選抜で肋軟骨々折の影響を感じさせない走りを見せていただけに、ここも期待できそう。スジの機動型が手薄で自力を多用するシリーズになるだろうが、今の浅井は自力でこそ強い。志智俊夫は好調を維持。今年早くも6勝を挙げるキメ脚で浅井に迫る。
松浦悠士は動き軽快。今年に入ってからは急激にバックが増えるなど、仕掛けの早さからも自信がうかがえる。S班が相手でも見劣りしない存在感だ。小川真太郎も今年は和歌山、高松で記念優出と復調急。小倉竜二、池田良と追い込み型もそろう中四国勢もなかなかの戦力だ。
大会連覇を狙うのが地元の山田英明だ。年頭はやや調子を落としたが、松山記念で優出するなど大事な地元戦に向けて立て直してきている。山崎賢人にとっては準決勝で敗れた昨年から1年間の成長をアピールしたい4日間。地元記念3度のV実績を誇る荒井崇博も3月防府G3で準優勝と上昇ムードがただよっている。
さらに、田中晴基―中村浩士の千葉コンビも見逃せない。