ベストメンバーがそろう
脇本雄太は3月ウィナーズカップでもブランクを感じさせない走りで優勝した。逃がせばまくれず、後方に置いてもスピードが違う。もはや死角が見当たらない感じだ。ここを優勝すれば2年連続のS班も決まる。出走本数の少ない脇本にとっては勝負のシリーズだ。残る近畿のS班3名はダービーと相性のいい選手ばかり。三谷竜生は史上初の大会3連覇がかかっているし、村上義弘は過去4度の大会制覇を誇る。村上博幸はG1初制覇を飾ったのが、ここ松戸のダービーだ。3人とも今年はここまでビッグで優出できていないが、今度こそ勝ち上がって脇本を先頭に強固な近畿ラインを築きたい。古性優作も近畿勢には欠かせない選手のひとり。変幻自在の走りで短走路を攻略する。
関東勢も平原康多、武田豊樹のS班を中心に役者がそろっている。平原は脇本のスピードに対抗するために試行錯誤していたが、ウィナーズカップから元に戻して好感触を得ている。全日本選抜、ウィナーズカップとビッグでは準決勝敗退が続いているだけに、今度こそ決勝に上がって脇本と勝負したい。やや元気がない武田だが、平原に吉澤純平、吉田拓矢と関東の豊富な機動型を目標にG1連続優出を狙う。木暮安由や諸橋愛も条件は同じ。木暮は地元と同じ短走路なら自力でも番手でも期待できそうだ。
今や最も勢いがあるのは中四国勢だ。S班の清水裕友に清水以上の存在感を放っているのが絶好調の松浦悠士に太田竜馬。若手が作ったムードに引っ張られるように小倉竜二、渡部哲男ら追い込み陣も成績を上げてきた。なかでも松浦はタイトルに最も近い男と言っても過言ではない近況の走り。この地区から岩津裕介以来となるG1覇者が出れば、さらに勢いは加速するはずだ。
中部勢は浅井康太が落車続きで状態が未知数。それだけに実戦復帰する深谷知広にかかる期待は大きい。まずは初戦の川崎記念の走りをどう見るかだが、競技で磨いたスピードが競輪と融合すれば脇本に負けないパフォーマンスを見せてくれそう。吉田敏洋も深谷不在の中部勢を引っ張ってきた選手。好調を維持しているだけに浅井や深谷との連係からチャンスはありそうだ。
迎え撃つ南関勢は郡司浩平を中心に渡邉雄太、和田真久留ら若手機動型が力を付けてきた。山中秀将や根田空史もそうだが、スピードを武器にする自力選手が多く、短走路という舞台は活躍するには打ってつけだ。
北日本勢は新田祐大がグランプリ以来となる実戦に復帰。松戸は15年にオールスターを制したバンクで、自慢のスピードでブランクをはねのけるか。全日本選抜にウィナーズカップとビッグ連続優出している佐藤慎太郎も好調だ。
九州勢は2月全日本選抜を制した中川誠一郎を筆頭に少数精鋭。山崎賢人もここへ来て調子を戻しているが、武雄記念で落車した山田英明の状態は気がかりだ。