調子を上げてきた平原康
今シリーズはS班3名が参戦するが、動きが一番いいのは平原康多だ。高松宮記念杯で決勝進出を果たすと、続く6月久留米記念では着と今年初Vを飾り、前半戦を最高の形で締めくくった。G戦線で格の高い競走ばかりを走り、直近4カ月の3連対率は77%のハイアベレージを誇っている。競輪界を代表するオールラウンダーの名を欲しいままにしているのも当然だろう。関東勢は木暮安由、神山拓弥ら気心が知れたメンバーなのも平原には心強いはず。木暮、神山とは久留米記念の決勝で好連係を決めたばかりだ。木暮は高松宮記念杯の準決、久留米記念の決勝て平原と同乗したが、いずれも平原の後ろを回っている。ここも平原に続くか。高松宮記念杯の準決ではまくった平原を差していて、平原の仕掛け次第では逆転もありうる。
中部勢の大将格はもちろん浅井康太だ。6月はあっせんが止まり、7月小松島記念に追加参戦して失着。好調と言えるような動きではなかったものの、戦える状態にはあった。この後にサマーナイトを走れば更に上積みは見込めるので、主役を演じる可能性も大いにある。
近畿勢を束ねる村上博幸も有力な優勝候補の一人だ。1月松阪記念、2月奈良記念で優勝、3月小倉G3、4月高知記念、5月平塚記念は準Vと、今年はG3開催で素晴らしい成績を残している。しかも古性優作、稲毛健太ら頼れる自力型がそろっている。古性はダービーで昨年のオールスター以来となるG1優参を果たすと、その後もコンスタントに勝ち星をゲットしている。稲毛も高松宮記念杯では敗者戦ながら2勝を挙げていて調子は上向きだ。
今年はG1で結果を出している和田真久留にも魅力を感じる。全日本選抜でG1初優参を果たすと、ダービー、高松宮記念杯は準決まで駒を進めた。自慢のスピードに一段と磨きがかかり、踏める距離も長くなかった感がある。タイミングよく仕掛けて先制なれば好勝負に持ち込める。
レース巧者の佐藤慎太郎も忘れてはならない。的確なコース選択と鋭い差し脚で全日本選抜準Vなど、高いレベルで成績をまとめていて、今年の3連対率は6割超。たとえスジの目標が不在の時でも、コースを探しての突っ込みには警戒が必要だ。山田英明に香川雄介と優勝を狙える力を持った選手が追加で参戦する点も見逃せない。