地元の牙城を守る平原康
今シリーズの主役を務めるのはもちろん平原康多だ。競輪界を代表するオールラウンダーと称されるに相応しい自在性に富んだ競走を演じているし、結果も出している。今年はまだビッグレースでの優勝こそないものの、高松宮記念杯落着、サマーナイトフェスティバル着と決勝に乗っているし、その間の6月久留米記念では着と優勝をゲットしている。今年の3連対率は約7割。Gレースでも格の高い競走ばかりに参戦しての数字だけに特筆ものだ。当所記念は59、60周年大会を連覇しているが、その後は優勝に手が届いていない。今年こそは…、という気持ちは誰よりも強く持っているはず。持ち味である変幻自在な立ち回りで地元記念Vをものにしよう。盟友の武田豊樹は、順調な平原とは対照的な近況だ。今年は全日本選抜滑り出しはまずまずだったものの、その後は立て続けて落車に見舞われた。ダービーの2次予選で落車し、高松宮記念杯から復帰すると初戦でいきなり落車。その後は実戦に姿を見せていない。万全の体調での参戦は難しいか。
自慢の自力攻撃に更に迫力を増した太田竜馬が平原を脅かす。2月高松記念で平原康を撃破して記念初Vを飾ると、ウィナーズカップでは着と決勝進出。更に7月小松島記念では、記念2V目を4連勝で達成している。トップスピード、航続距離ともに向上した印象で、主導権さえ握れれば好勝負に持ち込める。渡部哲男、池田憲昭が太田を援護する。今年の渡部は差し脚好調で、3月松山記念で太田の逃げを差して優勝するなど3Vを飾っている。ここも太田が先制なら首位に躍り出る場面も。
佐藤慎太郎はサマーナイトフェスティバル着など、相変わらず高いレベルで成績をまとめている。ベテランならではの好位を確保するテクニック、的確なコース選択に加え、42歳ながら差し脚の鋭さには陰りが見られない。北日本勢の上位陣には機動型が少ないが、どんなメンバー構成になっても連の対象から外せない。
近況重視なら太田と並んで渡邉雄太だろう。最近は戦況を見極めての仕掛けが多くなったが、切れ味には素晴らしいものがある。5月全プロ記念で落車した影響も完全になくなったサマーナイトフェスティバルでは着と本領を発揮。当所は先行有利のバンクなので、巧者ぶりを発揮して思い切った先行策か、中団以内をキープしてのまくりで首位争いに加わってくる。後位も和田健太郎、内藤秀久がガッチリと南関勢も強力布陣だ。
近畿勢は村上義弘が欠場したが、山田久徳、松岡健介がV候補に名を連ねる。