SS班と南関勢が激突
今シリーズはオールスター競輪最終日から6日後に開幕するので、オールスターの走りで多少評価は変わってくるかもしれないが、やはり主役を張るのはS班だろう。中でも清水裕友は力強い走りを披露している。6月函館記念では本調子にほど遠かった清水だが、1場所欠場して立て直しに成功。サマーナイトフェスティバルの初日特選では平原康、浅井康、三谷竜生ら錚々たるメンバーを撃破すると、7月弥彦記念は着。決勝は勝負どころで内に詰まる組み立てミスのために完全Vは成らなかったものの、勝ち上がり戦は落ち着いた走りで好機に仕掛けると、素晴らしいスピードで他を圧倒した。松戸ダービーで準Vと好走したように、ホームバンクと同じ33バンクなら走りやすいはずだし、今の調子なら優勝に最も近い存在とみて中心視した。
村上博幸、三谷と2名のS班を擁する近畿勢を重視する手もある。思い切りのいい先行勝負が売りの南潤が加われば更にラインの総合力は高まる。今年の村上は年頭から安定感抜群の走りを披露している。1月松阪記念、2月奈良記念で優勝すると、3月小倉G3、4月高知記念、5月平塚記念は準V。更に7月にはサマーナイトフェスティバルを制し、久しぶりにビッグレースをものにした。オールスター前の段階で獲得賞金ランク第6位に付けている。対照的に今年の三谷は落車の影響でなかなか調子が上がらず、サマーナイトフェスティバルも着と元気がなかった。しかしながら、南潤を目標にできれば展開の利を得られる可能性がある。そろそろ巻き返しを図りたい。最近の南潤は連にからむか9着かといった成績だ。力強い逃走劇を演じたかと思えば、あっさりとまくりに屈する場面も目立つ。もう少し安定感が欲しい。
地元地区の南関勢は強力な自力型が豊富で、戦力に不足はない。特にエース格の郡司浩平は67周年、69周年の当大会の覇者で、いずれも南関連係から地元記念Vをものにしている。だが、郡司は高松宮記念杯での落車で鎖骨を骨折。オールスター競輪での動きには注目しておきたい。ある程度の体調で参戦出来るようなら有力な優勝候補の一人だ。ビッグレースでの活躍が目立つ渡邉雄太も注目株だ。ウィナーズカップ、ダービーで優参すると、サマーナイトフェスティバルは準V。8月西武園記念での落車の影響がなければ優勝争いを賑わす。