強豪そろうも主役は浅井康
地元地区の中部勢が優勝争いをリードする。本命はもちろん大将格の浅井康太だ。浅井は卓越したスピードと素晴らしいレースセンスを武器に毎年安定した成績を残していて、2011年から8年連続でグランプリに出場している。しかも2V、準V2回、3着3回の成績は実力の証明だろう。今年は落車の影響でウィナーズカップ着以降は例年になく苦戦が目立ち、オールスターは二次予選5着で以後欠場。先制した岩本俊、田中晴の3番手を確保するも仕掛けられずに終わった。ショックは大きいが、ここからが勝負。修正能力は高いので、得意な大会で結果を出して巻き返しのきっかけをつかみたい。
今年はビッグレースで存在感を示している松浦悠士も有力な優勝候補だ。全日本選抜、ウィナーズカップ、ダービー、サマーナイトフェスティバルで決勝に進出。オールスターは惜しくも着と決勝は外したが、最終日は清水裕のまくりを差して勝っている。ここは取鳥雄吾、佐々木豪らラインの若手機動型との連係から勝機を見出すとみたが、6月取手記念をまくって制しているように自力攻撃の破壊力も増している。自ら戦うメンバーになっても不安はまったくない。松浦後位は、小倉竜二がガッチリ。
もう一人のS班武田豊樹は全日本選抜で決勝に乗るなど、今年の滑り出しは順調だったが、その後は落車が続いてなかなか調子が上がってこない。オールスター着の動きも今一つ物足りなかった。しかしながら、吉澤純平、杉森輝大ら信頼して任せられる同県の後輩がいるのは好材料。吉澤はオールスター着、杉森は着とまずまずの走りを披露している。武田に好展開が巡ってくる可能性は大いにある。
和田真久留、中村浩士、田中晴基、萩原孝之と健脚がそろった南関勢も侮れない勢力だ。オールスターは着と良いところが無かったのは気になる和田だが、全日本選抜で優参、ダービー、高松宮記念杯は準決に進出していて、今年は踏める距離が長くなった印象だ。中村は昨年に続きオールスターでは決勝に乗っていてムードは良好。和田がタイミングよく仕掛けて主導権を握れば、南関勢から優勝者が出ても不思議ではない。
渡邉一成の追加参戦も激戦に拍車をかける。レースを重ねる毎に本来のキレのある動きは精度を増し、8月玉野は、宮本隼-桑原大-松浦-野村典の強力中四国ラインを粉砕してV、オールスターでは着と、高松宮記念杯に続き今年2度目の特別優参を果たした。個の力では浅井、松浦にも決して見劣りしないだけに、ラインの援軍がやや手薄な不利を問題にしない一撃を決めてくる可能性は十分だろう。
8月小倉で優勝した園田匠は、オールスターでは最終日に1勝を挙げた。松岡貴の仕掛けに乗って直線大外を鋭く伸びて突き抜けていて、自慢の差し脚は相変わらず伸びがいい。ここは気心知れた井上昌己や、売り出し中の中本匠栄との連係。当所は短走路ながら直線が長いのでまくりに乗っての強襲劇はありそうで、軽視は禁物だ。