中国勢VS近畿勢
ラインの総合力は近畿勢と中国勢がリードしているが、充実著しい松浦悠士が軸になる中国勢がやや上位か。今年の松浦は素晴らしい成績を残している。全日本選抜、ウィナーズカップ、ダービー、サマーナイトフェスティバルで決勝に進出。オールスターは着で惜しくも決勝は外したものの、動きは悪くなかったし、8月富山記念では持ち味を遺憾なく発揮する好内容のレースで今年3V目をゲットした。平原康、浅井康らS班の自在型に引けを取らない安定プレーを演じており、最も信頼性が高いとみて中心視した。中国勢の先陣を受け持つのは宮本隼輔だ。全国各地で旋風を巻き起こしている第113期生の出世頭で、7月大垣記念では平原康、浅井康、古性優ら錚々たるメンバーを撃破して記念初Vを飾っている。オールスターはビッグレース初参戦で雰囲気に飲まれたのか、着と力を発揮できずに終わったものの、共同通信社杯は着と戦い方をつかんできた。好機に仕掛けて主導権を握れば好勝負に持ち込める。
もちろん、近畿勢を重視する手も十分。地元は村上義弘、博幸兄弟、稲垣裕之と百戦錬磨の面々だし、野原雅也、南潤ら若手の自力型もそろっている。大挙して決勝に駒を進める可能性もあるだけに、レースを掌握して地元勢が覇を握る場面は大いにあろう。しかもこの大会は地元勢が圧倒的な実績を残している。村上義は50周年後節、55、59、64周年と4V。村上博は60、61周年、稲垣は58、66周年とそれぞれ2Vを達成。今回も並々ならぬ意欲をもって挑んでくるはずだ。
動きの良さが際立つのは郡司浩平だ。高松宮記念杯で落車し鎖骨を骨折、2カ月の欠場を余儀なくされたが、復帰戦のオールスターで着と決勝に進出。続く8月小田原記念では大会連覇を達成すると、共同通信社杯は着、二次予選Aでは太田竜の逃げをまくりでねじ伏せ、決勝は単騎ながら最終的に3番手を確保からまくってV。欠場前よりも脚力がアップしている印象があるので、好発進を決めてのVゲットは十分だろう。南関勢では田中晴基も調子がいい。ダービーで決勝に乗るなど成績は高いレベルで安定していて、今期の競走得点は112点台、今年の3連対率は46%のハイアベレージだ。好位を占めれば連に食い込んできそう。
今年は年頭から快調な佐藤慎太郎も有力な優勝候補だ。全日本選抜、オールスターで準V、ウィナーズカップ、サマーナイトフェスティバルで決勝に乗っていて、今年の賞金ランキングは第3位(9月16日現在)。グランプリ出場をほぼ手中に収めている。ここは菅田壱道との連係から勝機を見出す。その菅田はダービー、オールスターで優参していてG1開催で大活躍。最近の動きは今一つの感じもするが、うまくレースの流れに乗れれば一発があっても不思議ではない。