中川誠が気迫の4日間
地元の中川誠一郎にとっては気持ちが入る4日間。熊本地震により大会が久留米で開催されるようになってから3戦で2Vの結果からも、この大会にかける思いの強さが伝わってくる。今年は全日本選抜に高松宮記念杯とG1を2度制覇。その後は配分を調整してコンディションを作っている。9月の共同通信社杯からの1カ月近い時間で寬仁親王牌、今大会に向けての準備はできているはず。大会連覇で今年も地元ファンの大歓声に応える。松岡貴久は8月京王閣、9月福井と連続優勝していただけに、別府で落車した影響が気がかり。初のG1、オールスターで2連対し、8月富山では記念初優出も決めた中本匠栄は3年ぶりの舞台で成長をアピールする。
対するは浅井康太、柴崎淳の三重コンビだ。9年連続のS班へ、浅井にとっては勝負の後半戦。11月末までにG1が2大会に地元記念とここと4戦しか残っていないが、前半戦に比べて状態は間違いなく上がってきている。過去に2度、記念を制している久留米との相性の良さも見逃せない。近況の柴崎のデキはその浅井をも上回っている。オールスターから気配は抜群で、九州勢にとっても脅威の存在になりそう。
松浦悠士も有力なV候補のひとり。今年は取手、富山と2度の記念を制し、賞金ランクでもグランプリ圏内につけている。あくまでもG1の結果次第だが、ここを優勝すればまた一歩グランプリに近づけるはずだ。中四国勢では小川真太郎も好調。松浦、小川とスジの目標がそろった柏野智典にもチャンスがある。
古性優作、村上義弘の近畿コンビも侮れない。古性は8月高知、9月函館とF1でも優勝を逃しているが、Gレースに向けて試行錯誤の結果と思っていいだろう。村上は落車に急性虫垂炎もあり乗り切れない近況だが、気持ちを切らさず自分のスタイルを貫いている。この両者は昨年の静岡記念決勝のワンツーをはじめ、連係実績も豊富。気迫の走りで数的不利をくつがえす。
南関勢は岩本俊介に勢いがある。オールスター、共同通信社杯と3度の確定板に上がるなど機動力は好調。6月の当所記念でも2勝を挙げている。松谷秀幸もシリーズ上位の競走得点を持っている。6月平塚、サマーナイトと落車が続いたが、復帰戦のオールスターで3連対と、その影響を感じさせない走りを見せている。さらに追加で桐山敬太郎も参戦するなど、南関勢はなかなかの布陣になった。
追加参戦した選手でいえば渡邉一成の存在も忘れてはならない。後半戦からは調子とレースの組み立てがかみ合って、安定した成績を残している。好調を維持しているだけに、連覇を狙う中川や他地区の選手にとっても脅威の存在だ。