浅井康が一戦入魂
9年連続のKEIRINグランプリ出場を目指し、ラストチャンスの競輪祭に挑んだ浅井康太。残念ながら競輪祭では結果を出せず夢散ったが、再来年のS班復帰を胸にここからスタートと気持ちは切り替わっている。調子そのものは9月あたりから確実に上向いていて、寬仁親王牌では決勝に乗っているし、その前後の記念開催も危なげなく優参。11月四日市記念着は優勝こそ弟弟子の柴崎淳に譲ったものの、勝ち上がり戦は3連勝。準決は目標不在で先頭で戦ったが、沈着冷静な運行で勝っていて、らしさを取り戻している。伸びを欠いた競輪祭は明らかに調整ミスで参考外。ここは「輪界を代表するオールラウンダー」の名を欲しいままにしている俊敏な競走で優勝をものにしよう。
注目株はスーパールーキーの松井宏佑だ。自転車競技中心のスケジュールのため出走回数は少ないが、すでに2Vを達成しているし、記念開催では3場所続けて優参していて、7月弥彦記念は準V。久々の実戦となった競輪祭は勝ち上がれなかったが、負け戦を3連勝と、ワールドカップ第1戦のケイリンで銅メダルを獲得した脚はやはりダテではなかった。勢いを駆って好勝負に持ち込む。また、岩本俊介、簗田一輝も競輪祭での動きは良かった。2年前の前回大会の覇者である田中晴基も含め南関勢から優勝者が出るかも。
ワールドクラスのスピードがある渡邉一成も有力な優勝候補だ。今年はビッグレースでの優勝はないものの、高松宮記念杯、オールスター、共同通信社杯で決勝に乗っていて、自力攻撃の破壊力はS班の自力型に引けを取らない。昨年の28走に比べると今年は競輪祭を終えて62走していて、競輪のレース感覚もつかめているはず。かみ合いさえすれば、自慢のスピードを遺憾なく発揮してのVゲットは大いにあろう。
最近は動きがいい原田研太朗も忘れてはならない。11月防府記念では1着と4日間確定板入りを果たし、競輪祭でも着と準決まで勝ち上がっていた。展開がもつれるようなら十八番のまくりで首位に躍り出る場面もありそうだ。原田には香川雄介が続く。
競輪祭では決勝進出と木暮安由と乗れている。“連日コースが見えていたし、しっかり動けていた”と話していただけに、状態維持なら、持ち味のタテヨコ自在な走りで6年ぶりの記念Vも。
地元地区の九州勢は山田英明、松川高大らに期待がかかる。今年の山田は2Vを飾っているものの、ビッグレースでの決勝進出はなく、競輪祭もいきなりの失格と不完全燃焼に終わっている。この大会は57、58周年を井上昌が連覇して以来、九州勢から優勝者が出ていないだけに、気合を入れて挑んできそうだが果たして。