新SS班の松浦悠が躍動
昨年は競輪祭を制してタイトルホルダーの仲間入りを果たした松浦悠士。初のGP参戦だったグランプリ2019は力を出し切れず7着と敗退したが、今年初戦の1月和歌山記念は着とVをゲット。新SS班として好スタートを決めた。勝ち上がり戦は未勝利ながら、3走すべてのレースで最終バックを取っていたように、強気に攻めていた競走内容は悪くなかったし、北日本、近畿の両ラインの動きを見極めて豪快にまくった決勝は圧巻のスピードだった。強力な自力型がそろった四国勢との連係は流動的だが、今の充実ぶりなら今シリーズも主役を演じる。
地元地区の四国勢は強大な勢力を誇る。自力型は太田竜馬、松本貴治、島川将貴、追い込み型は地元の香川雄介、池田憲昭と充実のラインナップだ。中でも太田は、昨年は大きな飛躍を遂げた。G1開催での決勝進出こそなかったものの、記念開催では当所を皮切りに、小松島、岐阜、佐世保と輪界トップの4Vを達成している。破壊力を増した自力攻撃が奏功なら当所記念連覇は大いにあろう。松本はヤンググランプリ2018の太田に続き四国勢連覇を飾った。今年はまだ1走もしていないので調子の判断はつかないが、当所は昨年5月着、S級初Vを飾ったゲンのいいバンクだ。今期は2班の島川ながら最近の調子は申し分ない。12月名古屋、同月大宮と連続準V、1月立川記念1着の動きも力強かった。目標には困らない香川雄介、池田憲昭も上位進出のチャンスだ。
昨年は全日本選抜、高松宮記念杯と2冠を達成した中川誠一郎は、オールスター、寬仁親王牌でも決勝に乗っていて、G1開催で圧倒的な存在感を示した。今年走り初めの1月大宮記念は着、まだエンジン全開とはいかなかったが、この後は連覇を狙う全日本選抜が控えているだけに徐々に調子を上げてくるはず。仕掛けがはまった時の自力攻撃は素晴らしい破壊力があるので、たとえ完調でなくても一発には警戒したい。
三谷竜生、村上博幸の近畿勢も忘れてはならない。昨年の寬仁親王牌の決勝では、逃げた三谷を村上がG前で差してワンツーを決めた。三谷は1月大宮記念着の動きは物足りなかったが、村上は1月和歌山記念着では安定感ある走りを披露した。三谷が好発進を決めれば近畿ワンツーは十分。
出来がいい岩本俊介の単にも食指が動く。今年は初戦の1月平で完全Vを飾ると、同月大宮記念は3連勝で決勝進出。スピードの切れには素晴らしいものがあり、好機に仕掛けられればVゲットもありそう。岩本には和田健太郎が続き千葉ワンツーを狙う。
新山響平は競輪祭の3走目に落車して欠場中。体調には一抹の不安が残る。