20年G1戦線の開幕戦
今年の記念開催は1月26日までに4開催が行われた。優勝者は立川=清水裕友、和歌山=松浦悠士、大宮=平原康多、いわき平=山崎芳仁。S班が3開催を制しており、昨年のベストナインが貫禄を示している状況だ。今年も勢いを持続しているのなら、地力上位のS班を重視するのが自然だろう。
中四国勢の充実ぶりは目を見張る。競輪祭の決勝でワンツーを決めた松浦、清水はともに今年は記念Vと最高のスタートを切った。原田研太朗をはじめ強力な自力型がそろっていて、勝ち上がり戦から有利にレースを進められそうだ。松浦は1月和歌山記念では豪快なまくりで優勝したように、自力攻撃の破壊力には素晴らしいものがある。自力でも強い松浦が頼りになる目標に付けるとなれば、優位に立つのは間違いない。昨年の競輪祭に続きG1連覇は十分だ。1月平記念はやや動きが重く、決勝を外した清水だが、最終日は接触して大きくバランスを崩す不利がありながら、態勢を立て直すと上がり11秒3の快速まくりで前団を飲み込んだ。やはり2年連続でS班を張っているのは伊達ではない。念願のG1初Vを達成するか。スピードの切れには素晴らしいものがある原田研太朗も怖い。今年は1月小松島で完全V、同月和歌山記念着と勝ち星を量産している。
平原康多は輪界を代表するオールラウンダーらしく今年も安定プレーを演じている。1月立川記念着、同月大宮記念着と連対率は75%と高い。全日本選抜は2013年、2017年と2Vを飾っている相性のいい大会。今の調子なら3V目を達成する場面も大いにありそうだ。
昨年はグランプリを制覇して賞金王に輝いた佐藤慎太郎は、今年も相変わらず堅実な走りを披露している。1月和歌山記念着、同月平記念着と成績をまとめている。好位置キープに成功すれば連食い込みも。
中部勢は地元の吉田敏洋、S班常連だった実力者の浅井康太らに期待がかかる。昨年12月以降はF1戦ばかりとは言え、ここ2カ月間の吉田の連対率は8割超。地元のG1に向けて仕上げに抜かりはない。浅井は1月平の準決で落車したが、再乗したので軽傷で済んだか。
昨年の覇者・中川誠一郎は今年初戦の1月大宮記念着。まだエンジンがかかり切っていない印象だった。連覇を達成するためにはもう少し調子を上げておきたい。
初のS班となった郡司浩平は、1月立川記念の準決で落車し鎖骨を骨折。多難なスタートとなったが、練習は再開していて全日本選抜から復帰の予定。どこまで調子を戻せるかが浮沈の鍵だ。