乗っている浅井康
今年は無念にも8年間維持したS班の座を明け渡した浅井康太だが、最近は好調時のようなスピード豊かな脚勢を取り戻している。2月静岡記念では4連勝で今年初Vを達成すると、3月玉野記念は着。準決は新山響、佐藤慎太郎の北日本勢にしてやられたものの3勝を挙げている。更に久々のF1登場となった同月松阪もまくり3連発の完全V。初日、決勝は上がり11秒2の快速を披露した。今の調子なら柔軟な立ち回りから好位キープしてのまくりで優勝をものにしよう。
今シリーズただ一人のS班である佐藤は、レース巧者らしく今年も成績をまとめている。全日本選抜をはじめG3の4開催はすべて決勝に乗っている。3月玉野記念の決勝は、逃げた新山の番手回りをものにできなかったものの、番手の仕事をきっちりこなしていてレース内容は悪くなかった。今回、佐藤が頼りにするのは菅田壱道だ。菅田は全日本選抜では着と3勝の活躍を演じたものの、3月立川、同月小田原とF1戦の準決で続けて敗退。実績からF1戦では警戒が強まるので、戦法的に致し方ない面はあるが…。ただ、1月和歌山記念の準決では鮮やかなまくりで佐藤を振り切っている。Gレースで本領発揮なら北日本ワンツーは十分だろう。
攻撃的な自力勝負が売りの三谷竜生も有力な優勝候補の一人だ。全日本選抜では決勝に乗ると、2月奈良記念は地元Vこそ逃がしたものの、二次予選A、準決と2勝している。年頭の1月大宮記念のときと比べると確実に動きは良くなっているので、そろろそ今年初Vをゲットしても不思議ではない。
自力攻撃の破壊力なら渡邉雄太も見劣りしない。2月静岡記念の準決は上がり11秒4の好タイムで逃げ切っていて、他の自力型を沈黙させた。まくりの威力にも素晴らしいものがある。しかしながら、2月静岡記念の後は2場所続けて病欠しているので、体調には一抹の不安が残る。同県の岡村潤は相変わらず差し脚好調で、3月久留米G3では初日特選を制している。渡邉が主導権を握るようなら勝ち負けに持ち込める。
四国勢浮沈の鍵は小川真太郎、佐々木豪が握っている。小川は全日本選抜では敗者戦ながら2日目に1勝を挙げると、2月向日町、3月平塚で優勝していて勝負強さを発揮している。佐々木も1月立川記念2着と今年は年頭から好調で、同月平記念1着、2月高松着、3月豊橋着と勝ち星を量産中。好連係を決めれば台風の目と化す可能性も大いにあろう。
パワフルな自力攻撃が魅力の吉澤純平も好勝負が見込める。全日本選抜着では二次予選、最終日特選と2勝を挙げると、2月立川の決勝は、堂々と逃げ切って武田豊と師弟コンビで連独占を決めている。調子は申し分ないので、豪快な一撃には注意したい。