浅井康太が圧巻のまくりV
終わってみれば浅井康太の完勝だった。自力タイプが数多くそろった決勝戦。前受けから8番手まで下げても落ち着いていた。2コーナーで外に持ち出してからは別次元のスピード。上がり13秒6のシリーズ最速タイムで人気に応えた。
「競輪は王者の前受けと言うし、一番人気だったので、前に出ました。自分のタイミングでしっかり仕掛ければチャンスはあると思ってました。踏み出しで行けるかなっていう感じはありました。渡邉(雄太)君が目標になって、すごい伸びていった。優勝できて、うれしく思います」
8年ぶりにS班から陥落した2020年。初戦の1月平記念で落車したが、2月に復帰してからは今シリーズを含め、5場所で15勝と白星ラッシュだ。
「SSだと勝たないといけないプレッシャーがすごかった。1班になってプレッシャーがなくなり、自分の走りができていますね。挑戦者になれてます」
次走は地元の四日市F1、そして5月には静岡ダービーが控えている。
「日本中が大変な時期ですけど、自分たちは自分たちの仕事をしっかりやるだけ。このあとは四日市、ダービーがあるので、そこでしっかり結果を出したいですね。ファンの声援が聞きたいので、コロナの影響がなくなったら、応援に来てください」
S班復帰、そしてG1制覇へ、これからさらにエンジンを上げていく。
近藤龍徳が懸命に食い下がって2着に流れ込み、中部ワンツー決着となった。今シリーズは初日からオール連対と見せ場たっぷりだった。
「実質、優勝でしょう(笑)。(浅井は)本当にすごいスピードでした。抜けないとは思ったけど、しっかり付いていけたので良かったです。この成績ならホームランでしょう」
直線で最内のコースを踏んだ佐藤慎太郎は3着まで。
「(渡邉)雄太がいいレースをしてくれました。(番手に入ってから)すかさず仕掛けてくれたけど、吉澤がまだ余力を残していたのと、浅井がやっぱり強かったです。浅井はいいスパイラルに入っているし、競輪はやっぱりそういう選手に流れが向きますね。最後は真ん中と内、どちらもいけるようにしていたけど、内しかコースがなかった」
渡邉を合わせ切った吉澤純平だが、直線で力尽きた。
「細切れなんで、組み立てはそこまで考えてなかったです。(最終ホームで)3番手に入ろうか迷ったんですけど、もう詰まってしまったので、そのまま駆けるつもりで行きました。後ろの状態は分かっていたので、しっかり合わせようと。スプリントみたいになりましたね。最後に内を空けてしまったり、ミスも多かったけど、力は出し切りました」
番手にはまって絶好かと思われた渡邉雄太は吉澤に合わされてしまった。
「とりあえず前に出て、(吉澤が)ひとりで来たのは分かりました。もうちょっと待っても良かったですね。ミスりました」
大会連覇を狙った山中貴雄は小川真太郎と共倒れに終わった。
「ペース的にも(小川)真太郎のひとまくりかなって。浅井君が来る前に行けそうな感じはあったんですけど。出し切れた感じはないので悔しいですね」