松浦悠、清水裕の黄金タッグ
7車立9レース制で行われる初の記念開催。初日は特選1個レース、予選1が8個レース、2日目は予選2が9個レース行われ、2日間の合計ポイント上位21名が準決に進出するシステム。しかも西日本一色のメンバー構成だ。通常の記念開催とは大きく異なるが、シリーズをリードするのは今年のビッグレースを席巻してきた松浦悠士、清水裕友の中国黄金コンビだろう。全日本選抜で松浦が駆けて番手の清水が初タイトルをゲットすると、ウィナーズカップは清水が逃げて番手の松浦が初V。更に全プロ記念のスーパープロピストレーサー賞では清水が先行して番手の松浦がV。6月久留米記念の決勝は逃げた松浦を清水がG前差してワンツー決着。番手がきっちりチャンスをものにするだけでも大変なことだが、ワンツーまで決めたのだから見事というほかはない。両者の前後は流動的なので、番手を回るほうがVに最も近いとみて中心視すべきだろう。
もちろん、小倉竜二が束ねる地元の徳島勢も黙ってはいない。これ以上は望めぬほどの充実のラインナップで、太田竜馬、原田研太朗、小川真太郎、島川将貴、久米康平と若手の自力型がズラリとそろっている。中でも注目を集めるのは大会連覇を狙う太田だ。昨年は当所を含め記念開催で4Vを達成したが、今年はGレースで目立った成績を残していない。調子の上積みができるかが浮沈の鍵となりそう。対照的に原田は十八番のまくりが冴え渡っている。取りこぼしも散見するものの、今年の勝率は47%と高く、ウィナーズカップは準決1着で決勝に乗っている。展開が向けばものにできる状態だ。小川は俊敏な立ち回りで勝ち星が多く今年は2V、6月久留米記念1着で今年の勝ち星を14まで伸ばした。島川は自力攻撃に一段と磨きがかかった。6月久留米記念では1着と3連対を果たしている。層が厚い地元勢から優勝者が出ても不思議ではない。
7車立は9車立よりもスピードレースになりやすいので、スピード自慢の中川誠一郎には有利な材料だろう。今年の滑り出しはなかなかエンジンがかからなかったが、5月宇都宮記念、6月久留米記念で決勝進出、高松宮記念杯では初日特選(西日本)で大外を鋭く伸びて脇本雄の2着に突っ込むなど、スピードが甦ってきている。仕掛けがツボにはまれば前団を豪快に飲み込む場面も考えられよう。中川には大塚健一郎が続くか。落車負傷もあって順調さを欠いていたが、6月武雄着、同月玉野着と戦える状態にある。中川の踏み出しを凌げれば連に浮上も。昨年はウィナーズカップと共同通信社杯で決勝に乗ったように底力はある山崎賢人だが、最近は主導権を握っても末脚の甘さが目に付く。調子が戻れば怖いが…。