北日本勢が強力布陣
新田祐大、佐藤慎太郎のSSコンビを軸に戦力充実の北日本勢が優勝争いをリードする。新田にとってはこれが当所67周年以来となる3年ぶりの記念参戦。初めての7車立てとなるが、競技経験は豊富だし、シンプルに力勝負となる7車のレース形態は向いているはずだ。自慢のスピードで17年5月函館以来となる記念優勝を狙う。位置取りが重要になる7車立てなら1番車の佐藤の存在は大きい。優出を逃した9月向日町記念では、キメ脚に物足りなさこそ感じたものの佐藤は年頭から安定した走りを見せている。ここも新田、新山響平と強力な機動型を目標に優勝争いに加わってくるだろう。新山にとっては連覇のかかる地元記念だ。オールスターから使い慣れたフレームに戻し、続く松戸記念でも予選を連勝で勝ち上がるなど調子は良好。昨年大会以来となる地元戦で成長した姿をアピールしたい。他にも守澤太志、内藤宣彦と北日本勢には点数上位の実力者がそろっている。
北日本勢に襲いかかるのは松浦悠士、古性優作だ。松浦は3月ウィナーズカップ、8月オールスターと今年2度のビッグを制覇し、賞金ランクは断トツのトップ。目標がいたとはいえ、オールスター決勝では脇本雄を破っている。位置取りの上手さに仕掛けの航続距離も長くなった。今年ここまで一度も決勝を外していないことからも総合力の高さがうかがえる。古性は7車立てになっても縦横無尽の走りを見せている。8月小田原記念では準決勝で失格してしまったが、7月は大垣、和歌山とF1戦を連覇。オールスターでは準決勝、決勝と脇本との連係を決めて決勝3着に入っている。松浦には筒井敦史、渡部哲男が、古性には中近で金子貴史がマークする。筒井、渡部はこのシステムになって初めての記念参戦。勝ち上がって松浦と連係なら優勝争いに加われそう。金子は7月大垣の決勝戦同様に古性と好連係を決めたい。
山崎賢人、園田匠の九州コンビも侮れない。山崎は7車立ての3連対率が7割超え。7月小松島記念の最終日には上がり10秒7のまくりで中川誠を振り切っている。スピードを生かしてナショナルチームで練習をともにする新田や新山と好勝負を演じる。園田は2月静岡以来、7カ月ぶりの記念参戦。7月小倉を制した自慢の末脚で存在感を発揮したいところだ。
南関勢をリードするのは松坂洋平だ。8月川崎での落車、失格はあったが、同月高知では番手で自力で2連対と力強い走りを見せていた。ポイント制の勝ち上がりなら、しっかりと準決勝、決勝へ駒を進めてくるであろう実力者だ。成清貴之も復調一途。差し脚に切れが戻っているだけに、そろそろ記念でも決勝に勝ち上がりたい。
関東は小林泰正、武藤龍生のコンビ。小林はこの1年で記念の優出3回と機動力は上位陣にも引けを取らないし、武藤のガッツあふれるマークさばきも魅力だ。