SS班と若手自力型が激突
オールスター着。決勝は最終2コーナーから松浦悠士とのデッドヒートの末に、松浦のテクニックにしてやられた脇本雄太だが、自力攻撃の破壊力は輪界トップであることを再認識させたレースだった。準決は新山響の逃げを豪快なまくりでねじ伏せていて、上がりタイムは10秒4。13年にパーキンスが塗り替えたバンクレコードタイの好タイムを叩き出している。この大会も優勝候補の筆頭とみるのは当然だろう。近畿勢ではSS班の村上博幸をはじめ古性優作、村上義弘、三谷竜生らが実績上位。中では古性の動きがいい。6月福井、7月大垣、同月和歌山とF1戦ながら3連覇を達成すると、オールスターは着と決勝に進出。二次予選は逃げた岩本俊の番手を中村浩から奪い取って勝ち星をゲットすると、準決と決勝はきっちり脇本に続いている。攻撃的な自在戦が冴え渡っていて、躍動感あふれる競走を演じている。村上博は地元の向日町記念を欠場。体調が気になるところ。三谷はトップスピード、末脚の粘りともに今一息の印象で、調子の上積みが欲しい。注目株は新鋭の寺崎浩平だ。G1初参戦だったオールスター着。一次予選、二次予選は機動力を発揮して連にからんだが、準決はジャン前から踏み上げて4番手を狙うも新田祐大に捌かれた。組み立てを修正してのビッグ初優参は大いにあろう。
松浦、清水裕友の中国ゴールデンコンビを重視する手もある。両者ともに自力基本ながら柔軟性を兼ね備えているので、好連係を決めるレースが多く、番手を回ったほうが高い勝率を挙げている。松浦は8月小田原記念着、決勝は地元勢の分断を図る強気の競走を演じたし、清水も8月松戸記念着の予選2、準決は逃げて粘っていて、振るわなかったオールスターよりも調子を上げてきた。オールスターでは松浦の優勝に大きく貢献する逃走劇を披露した原田研太朗、世界の舞台で通用するスピードがある河端朋之らまで加勢なら中四国勢の戦力は更に拡大する。
連係実績豊富な新田、佐藤慎太郎の福島SS班コンビも好勝負が見込める。今年はまだ3場所しか参戦しておらず、優勝には手が届いていない新田だが、サマーナイトは準V、オールスターではシャイニングスター賞を快速まくりで制している。新田が好スパートを決めての福島ワンツーは十分だ。
オールスターで落車した平原康多だが、8月松戸記念着の動きは影響を感じさせなかった。ビックレースのVからは2年ほど遠ざかっているだけに、そろそろの気持ちは強いはずだ。自在戦が奏功なら単望める。
昨年の覇者である郡司浩平は連覇を狙える状態にある。今年は記念2Vを含み23勝を挙げていて、勝率はジャスト5割。3連覇を目指した8月小田原記念の決勝は無念の失格を喫したものの、無傷で優参していて調子は申し分なかった。
浅井康太、深谷知広の中部コンビも侮れない。今年の浅井は記念3Vと調子は良好だし、深谷も8月松戸記念着のスピードは際立っていた。