地元Vは譲れぬ岩本俊
8月当所記念1着の決勝で平原康、清水裕、深谷知ら超ド級の自力型をまとめて撃破した岩本俊介の自力攻撃は、一段と迫力を増した印象だ。共同通信社杯では2着と決勝に進出し、10月川崎は3連勝。更に競輪祭では予選を着で準決に駒を進めると、果敢に先行してレースを支配した。結果は6着で優参は成らなかったものの、新田祐を相手に先行で勝負したのは機動力に自信を深めている証しだろう。しかも岩本にとって当所はドル箱バンク。平成23年には取手記念水戸黄門賞in松戸で記念初Vを達成している。自力攻撃が冴え渡り、バンクとの相性も抜群なら、今シリーズも主役を演じるとみた。和田健太郎も今年の充実ぶりは素晴らしかった。全日本選抜、ウィナーズカップ、高松宮記念杯(準V)、そして競輪祭で決勝に進出していて、ビッグレースで大活躍。獲得賞金ランキングで第7位となり、暮れのグランプリに選出されている。初の大舞台の直後に控えるとはいえ、休まず出る以上は狙うはVのみ。落車して途中欠場に終わった当所記念の借りも返すべく、ハッスルプレーで大会を盛り上げる。
北勢には菅田壱道がいるし、タイトルホルダーがズラリとそろった渡邉一成、山崎芳仁、成田和也の福島トリオを重視する手もある。優勝してもおかしくない実力者ばかりだが、競輪祭での動きが良かったのは山崎だ。一次予選1で清水裕の逃げをまくって白星スタートを決めると、一次予選2は内に包まれる苦しい展開となったが、最終4角でコースができると鋭く伸びて2着に突っ込んだ。渡邉も競輪祭では敗者戦ながら2連対と悪くなく、菅田と好連係を決められれば、菅田自身だけでなく福島トリオから優勝者が出る場面も大いにありそうだ。
立ち直ってきた宮本隼輔の一発にも魅力を感じる。今年は調子を落としていた時もあったが、10月久留米着では今年2V目をゲットすると、11月防府記念は3連勝で決勝に進出している。本来のスピードが甦ってきた印象があるし、ホームバンクと同じ短走路なら自信を持って仕掛けられるはず。後ろを、桑原大志、岩津裕介のベテラン勢が固めてくれればラインも強固で、好スパートを決めて勝ち負けに持ち込んでも不思議ではない。
吉澤純平、武田豊樹の師弟コンビも忘れてはならない。吉澤は11月高松での落車後遺症があったのか、競輪祭での動きはやや重かったが、サマーナイト、共同通信社杯で決勝進出、F1戦とは言え、今年4Vを達成している実力は伊達ではない。調子に上積みがあれば好勝負が見込める。師匠の武田とは9月取手の初日特選でワンツーを決めた。この時は武田が吉澤の逃げを差し切っただけに、武田にもチャンスがある。また、関東では木暮安由も一発を秘める。
競輪祭は確定板入りがなかった中本匠栄だが、繰り上がりとは言え共同通信社杯を制すと、10月熊本記念in久留米は準V。うまく流れに乗れると怖い。