地元コンビが躍動
今年は調子を落としていた時もあった山崎賢人だが、後半戦になると徐々に調子を戻してきた。共同通信社杯3着では当大会3年連続となる決勝進出を果たしていて、トップスピード、末脚の粘り共に良くなってきた印象だった。寬仁親王牌では一次予選を逃げ切って好スタートを決めるも二次予選Aで落車のアクシデントに見舞われたが、競輪祭着の動きは悪くなかった。当所記念初Vを達成できる状態にある。ホームバンクで仕掛けどころは心得ているので、タイミングよくスパートして押し切ろう。山崎とタッグを組む井上昌己は地元の重鎮。さすがに当所記念では実績を残していて、61、64、65周年と3Vを達成している。直近4カ月の連がらみは66%が自力によるもので、機動力は健在だし、競輪祭からこの開催まで3週間以上の空きがあるので、万全の体調で臨めるはず。山崎とは競輪祭の3走目にワンツーを決めたばかり。この時は山崎のまくりをタイヤ差交わせなかった。今年はまだ優勝に手が届いていないだけに、ここで決めたい。直近4カ月の競走得点を110点台に乗せている山田庸平は地力強化を感じさせる。寬仁親王牌で着とG1大会初優参を果たすと、競輪祭は選抜戦ながら2連対。山崎とは相性が良く、8月小倉着では初日特選、決勝と山崎の逃げを交わしている。山崎との相性の良さは松川も同様で、12月久留米では2回山崎と連係して完全優勝している。
天性のスピードには非凡なものがあった新山響平は、ナショナルチーム入りして更にスピードに磨きがかかった印象だ。オールスター、共同通信社杯、寬仁親王牌、競輪祭とビッグレースで4大会続けて準決に進出。特に競輪祭着、逃げて3勝を挙げた脚勢は圧巻だった。G3大会ではすでに4Vの実績があるし、当所は先行有利なバンク。主導権を握って押し切る場面は十分だろう。
原田研太朗、小倉竜二、小川真太郎の徳島トリオに松本貴治とそろった四国勢も好勝負が見込める。競輪祭は精彩を欠いた原田だが、ウィナーズカップ、オールスターで優参、7月小松島記念を含み今年は5Vの実績がある実力者だ。小倉はベテランならではの安定プレーを演じているし、小川は競輪祭では選抜戦ながら2連対。松本も最近の自力攻撃は力強い。好連係を決めれば四国勢から優勝者が出ても不思議ではない。
自力攻撃の破壊力には定評がある吉田拓矢は競輪祭着。昨年に続いての優参は果たせなかったものの、最終日は上がり11秒2の快速まくりを決め、2着以下を3車身千切っている。意外にもまだG3大会のVはないだけに、そろそろの気持ちは強いはず。仕掛けがツボにはまると怖い。
三谷竜生、村上義弘、稲毛健太、東口善朋の近畿勢では和歌山コンビに注目。東口は差し脚が冴える近況で寬仁親王牌では表彰台に上がっているし、その後は11月、12月と地元和歌山のF1戦を走ってともに優勝している。勢いがあるので、ここもV争いに加わってきそう。