尾方真生が激戦を制する
次代を担うスター選手の登竜門として、デビュー2年未満のガールズケイリン選手7名によって行われる大会。選考期間の関係で、今年に入って本領を発揮し始めた116期の何人かの顔が見られないのは残念だが、ガールズ新時代到来を感じさせるメンバーがそろった。全員が自力タイプという激戦だが、本命は尾方真生が務める。デビューから1年足らずで優勝回数が10回の大台に乗った戦績はここでは断然の存在だ。当初はレースを見過ぎて失敗するケースも散見したが、トップ級と渡り合って決勝進出も果たしたガールズグランプリトライアルを経て一段と成長を遂げた。仕掛けにより積極性を増して力を出し切れるようになれば怖いものはない。2月以降は全く連を外していないパーフェクトぶりだ。陸上競技で鍛えたバネとパワーを生かした自力攻撃は破壊力満点。何よりも踏み出してからの加速力が強烈で、姉弟子の女王・児玉碧にも見劣りしなくなったカマシ、まくりで敵を圧倒してしまおう。
先輩期の意地を見せたい吉岡詩織にも注目が集まる。デビューから先行勝負を貫くレーサー。決勝を外す場所があるなど最近はスランプ気味だが、底力は評価したい。尾方との対戦は過去に2回あるが、ともに吉岡が先手を握って好勝負を演じている。
高木佑真も昨年11月松戸で初優勝を逃げ切りで達成するなど波に乗る注目の若手だ。経験を積んで思うようなレースができるようになってきただけにツボにハマれば怖い存在だ。 だが、尾方の脅かすのは同期のライバルになる可能性も高い。西島叶子、増田夕華、永禮美瑠に、繰り上がりで出場が決まった下条未悠までそろってV実績がある。特に西島、増田は自分の目指すレースがつかめてきた上に、周りも見えるようになって成績がうなぎ上りだ。増田は地脚タイプ、西島はダッシュ型とそれぞれ脚質は異なるが、脚を使ってでも前々に攻め切る競走ができれば一発十分。