地元の牙城を守る平原康
主役を務めるのは、地元記念では圧倒的な存在感を示している平原康多だ。大宮記念の8Vには及ばないものの、当所記念は59、60、69周年の3Vを達成している。調子も良好で、今年は年頭から快調なペースで優勝をものにしている。3月末までに記念開催は4場所走り1月立川、同月大宮、3月大垣、4月大宮でV、2月高松は準V。16走して11勝、2着4回は文句なしの数字だ。自力勝負で十分に優勝が狙える状態にあるうえに、森田優弥、宿口陽一、黒沢征治ら連係実績がある同県の自力型がズラリとそろっているとなれば平原の優位は動かない。最近の森田は力強い走りを披露していて、2月松戸、3月小田原でV、ウィナーズカップでは2連対。1月大宮記念の決勝では平原を優勝に導く先行を演じただけに、地元ラインの先頭で戦うとなれば主導権は譲らない。黒沢もウイナーズカップの二次予選では、怒涛の先行で平原の勝利に貢献している。
第2勢力は北日本勢だ。SS班の守澤太志をはじめとして自力型が高橋晋也、渡邉一成、追い込み型は大槻寛徳と実力者ばかり。今年の守澤はまだ優勝には手が届いていないものの、グレードを問わずすべて決勝に乗っている。全日本選抜、ウィナーズカップの準決はいずれも1着でクリアしているが、守澤の前で駆けたのが高橋だ。全日本選抜は末脚を欠いて5着に沈んだものの、ウイナーズカップでは2着に粘りワンツーを決めた。やや伸び悩んだ時もあった高橋だが、最近は自慢のスピードを遺憾なく発揮している。渡邉も今年はF1戦ながら早くも3V、ウイナーズカップの最終日は岩本俊、寺崎浩らを相手にまくって勝っていて、自力攻撃が冴え渡っている。
もう一人のSS班・和田健太郎は体調に一抹の不安が残る。ウイナーズカップの二次予選で落車、気力を振り絞り最終日まで完走したものの、3日目、最終日は目標の仕掛けに付け切れず、本来の走りではなかった。全日本選抜で準Vなど、高いレベルで成績をまとめていただけに、体調が戻れば好勝負に持ち込める。南関勢では和田真久留の動きがいい。最近は最終バックを取るレースが多いし、3月岐阜着、ウイナーズカップは着で準決進出など結果も出ている。
注目株は精鋭の町田太我だ。S級でも積極的な競走で先行力を猛アピール。まだG3開催は2場所しか走っていないが、昨年12月広島記念1着、2月高松記念1着といずれも優参を果たしている。3月取手で落車した影響があるのか、同月広島の準決は逃げて4着に沈んでいるが、その後はここまで配分がないので調整は進むはず。当所は先行有利なバンクだけに格上選手を撃破する場面もありそうだ。