格上・柴崎淳が貫録を示す
昨年の共同通信杯で落車負傷し、3カ月以上の欠場を余儀なくされた柴崎淳。17日からの高松宮記念杯は選考期間中の出走本数が足りなかったためこの開催にあっせんされたが、ビッグレースでも自慢のスピードを遺憾なく発揮し存在感を示していた実力は断然上位だ。ダービー着の一次予選は果敢に逃げるも末脚を欠いていて、まだ好調時のような脚勢には戻っていないものの、5月松阪着の初日特選、準決は不破将を利して勝っており、チャンスが巡ってきた時はきっちりものにしている。ここは山田諒との連係から勝機を見い出す。その山田はまずまずの動きを披露している。4月西武園記念で2着と3連対を果たすと、同月岐阜着、5月松阪着。タイミングよく仕掛けて主導権を握ればしぶとく粘る場面もありそうだ。
ここのところ素晴らしい伸びを見せている渡部幸訓の単にも魅力を感じる。3月宇都宮G3では2着、決勝は竹内雄を利し、佐々木悠、小川真らの強豪を撃破するヒットを飛ばすと、G1初参戦のダービーでは一次予選で3着と好走した。更に5月大垣着では今年2V目をゲット。ナショナルチームに選出されている小原佑太がスピードを活かしてレースを掌握なら展開の利も得られる。小原はレースの組み立てには課題も残すが、天性のスピードは一級品だ。北勢では菊地圭尚も調子上向き。5月函館記念では予選を2着で準決に駒を進めている。
最も戦力が整っているのは近畿勢だ。地元勢だけでも機動型が小森貴大、伊原克彦、追い込み型は鷲田佳史、渡辺十夢。更に機動型の岡崎智哉、高久保雄介が控えているとなれば、勝ち上がり戦から有利にレースを戦えるはずで、近畿勢が大挙して決勝に駒を進めてくる可能性は大いにありそう。仕掛けが最も積極的なのは小森で、直近4カ月は29走して最終ホームを21本奪取している。小森と伊原は5月松山の準決でタッグを組んでいて、積極的に逃げた小森に乗った伊原が最終バックから自力に転じて勝ち星をものにした。2月平記念を制した鷲田は決勝を外す場所が続いていたが、4月奈良G3では着と気を吐いた。好展開が巡ってくれば首位に躍り出ても不思議ではない。岡崎は自力攻撃が冴え渡っている。4月武雄記念は予選を連勝で準決に乗ると、5月は函館1着、松阪1着と勝ち星ラッシュだ。
松岡辰泰、島田竜二、合志正臣の熊本勢も忘れてはならない。先頭で戦う松岡は1月に特別昇級を果たしたばかりの新鋭で、5月名古屋ではS級初Vを3連勝で飾っている。松岡と島田は2月佐世保の準決で連係していて、快速まくりを決めて勝った松岡に島田が食い下がりワンツーの実績がある。