松浦悠に挑む地元勢
日々進化を遂げている松浦悠士は、今年も素晴らしい成績だ。ダービーでは郡司浩、佐藤慎とのデッドヒートを制して通算3つ目となるG1をゲット。もちろんG3開催では常に主役の活躍を演じていて、前半戦で5Vは圧巻の数字といっていい。優勝に最も近い存在とみて中心視した。自力勝負が基本ながら、同県の新鋭・町田太我との連係が叶うようなら前を任せよう。その町田は先行主体のスケールの大きな競走で別線をねじ伏せている。1月小倉、同月久留米を連覇した後は、優勝には手が届いていなかったが、6月松山G3では1着とG3開催初優勝を達成した。松浦とは2月高松記念の決勝で連係していて、眞杉匠の突っ張り先行の前に先手を取れずに終わった。松浦の前で戦うとなれば主導権奪取に闘志を燃やす。
最も戦力が整っているのは小倉竜二が束める地元勢だ。弟子の阿竹智史をはじめ、原田研太朗、小川真太郎、太田竜馬など自力型がズラリとそろっている。一昨年の69周年は太田、昨年の70周年は原田が覇を握っていて、この大会は地元勢が連覇中。3連覇を達成する可能性は大いにありそうだ。出来の良さが目立つのは小倉だ。4月武雄記念着は二次予選で清水裕の逃げを差すと、準決は松浦のまくりを差し切り。更に5月前橋記念着では二次予選、準決、決勝と3走続けて清水を交わしている。SS班の自力型を何回も差し切っているのだから伸びは申し分ない。競輪祭2V、G3開催は8Vの実績がありながら地元の当所記念ではまだ優勝が無いだけに、調子が良く、目標に困らない今シリーズは並々ならぬ意欲で臨んでこよう。自力型の中では自慢の快速を披露している太田が好調だ。ダービーは一次予選で敗退も2走目から3連勝、高松宮記念杯も3連対した。小川も6月別府記念2着は調子上向きを感じさせる動きだった。
もう一人のSS班・和田健太郎は体調が気になる。5月前橋記念の準決で落車し、全プロ記念、6月別府記念を欠場。そして、高松宮記念杯でまたも落車。さすがに厳しいか。南関勢では松坂洋平が調子良好。ダービーでは一般戦ながら2着2回、6月別府記念は1着と3連対を果たしている。
注目株は佐々木悠葵だ。A級の卒業にはやや時間を要したものの、S級では順調そのもの。F1戦とは言え今年は早くも4V、しかもすべて3連勝で飾っている。G3開催は2回参戦してともに準決4着で優参は成らずも、いずれも主導権を握っている。機動力を遺憾なく発揮して台風の目と化すか。関東勢では武藤龍生にも注目したい。差し脚に磨きがかかり、今年は初参戦のダービーで決勝進出、F1戦で3Vを達成している。