俊敏に立ち回る郡司浩
3年連続でSS班を張る郡司浩平。昨年は全日本選抜でG1大会2V目を達成し、真っ先にグランプリの出場権をゲットすると、G3は4月川崎記念、10月平塚記念を制していてGレースで3Vを飾っている。他にもダービーで準V、グランプリ3着、共同通信社杯は3連勝で決勝に乗るなど、年間を通してSS班らしい力強い走りを披露していた。非凡なスピードと俊敏な立ち回りには定評がある。今シリーズの南関勢は上位に自力型が少ないので、自力攻撃で優勝を睨む。
対峙する清水裕友は4年連続でSS班を維持した。昨年はウィナーズカップで優勝すると、ダービー、高松宮記念杯、サマーナイトフェスティバル、共同通信社杯で決勝に乗っていて、ビッグレースで存在感を示していた。グランプリは組み立てがうまくいかず8着に敗れたものの、後方からまくり上げたスピードは悪くなかった。好位キープから自力を出せれば単十分。取鳥雄吾や11月防府記念の決勝でワンツーを決めた宮本隼輔との連係が叶えば、展開の利を得られる可能性も出てくる。
昨年は優勝には手が届かなかった佐藤慎太郎だが、安定感抜群の走りでコンスタントな成績を残していて、獲得賞金ランキングは第7位に入っている。位置取りのうまさ、コース選択の的確さは相変わらずだし、45歳のベテランながら差し脚に陰りも見られない。北日本の上位陣に自力型は高橋晋也しか見当たらないので、メンバー次第ではグランプリでも目標にした郡司との連係もありそうだ。
大会連覇を目指す吉田敏洋は調子上向き。11月富山での落車後は今ひとつだったが、12月名古屋は3日間まくって着。初日特選は根田空の逃げを上がり10秒8の快速まくりで仕留めている。山口拳矢が先頭で戦い、坂口晃輔が吉田の後ろをガードならラインは強固。競輪祭で落車した山口はヤンググランプリこそ動きに本来の鋭さが見られなかったが、1月名古屋をまくり圧勝のVと復調急だ。
ダークホースは原田研太朗だろう。昨年はなかなか調子が上がらなかったが、11月別府で優勝するとその後は勝ち星ラッシュ。直近5場所は17走して13勝を挙げている。スピードが完全に甦っているので、展開がもつれるようだと十八番のまくりが飛び出す場面もありうる。
近畿勢の自力型が手薄なので、レース巧者・稲川翔の出方が注目される。昨年のオールスター一次予選2では脇本雄の逃げを差したようにまくり兼備の差し脚には威力があるし、位置取りもうまい。メンバー次第では最も強い自力型のハコ勝負も考えられる。
12月別府で3連勝した山田英明はまずまずの調子だ。勝ちパターンである好位置占めてのまくり、差しに持ち込めれば勝ち負けになる。中本匠栄とのタッグで一発を狙う。