当所は得意な松浦悠
21年は岸和田記念の代替開催だったが、和歌山の一年は新春恒例の記念競輪から始まる。今年も暮れのグランプリを走ったばかりの4名をはじめ豪華メンバーによるV争いとなるが、実績重視で松浦悠士を本命に推したい。21年は9月以降らしくない走りが続き、山あり谷ありの一年となったが、不調の原因となっていたフレームやセッティングの問題も解消し、競輪祭を優参、有観客開催で気合が入った12月広島記念を優勝とグランプリに向けてしっかり修正してきた。長い距離を踏んで勝負できる強みが戻ってくれば、このメンバーと戦っても不安はない。グランプリ直後のレースなのもタフな松浦にはハンデにならない。前回の70周年記念、21年も当所での岸和田記念を制覇と、得意な走路から新年好スタートを切る。
新S班の古性優作に、S級戦士の大半が参戦する地元勢ら近畿勢が総力を結集して勝ちに来る。脇本雄が不在でも特別を勝つことをテーマに自力の脚を磨いてきたのが結果的に21年のオールスターVに結び付いた古性。12月伊東記念で4日間先行して4着の寺崎浩平が勝ち上がってくれば番手で徹底ガードから抜け出し、不在ならいつも通りの自力自在戦でV奪取は十分だろう。そろった地元勢は東口善朋が軸。一時期落ちていた差し脚に切れが戻って12月名古屋では優勝している。流れに乗れれば、68周年大会以来の地元記念制覇も。
松浦、古性が相手なら郡司浩平は一層闘争心が燃え上がりそう。戦法が似通った3人は競輪祭の決勝でも意識し合っていた。後手を踏まない組み立てに、緩んだタイミングを逃さず仕掛けていくタテ攻撃はここも猛威を振るう。落車禍から立ち直った和田健太郎が郡司に続く。22年はS班の座は明け渡すと言っても、12月佐世保記念をVと最後の最後に結果を出した。
佐藤慎太郎も卓越した差し脚でV争いに加わる。競輪祭で準決進出、12月平で優勝している小松崎大地の存在は頼もしい。最近は戦法の幅を広げている小松崎だが、競輪祭の二次予選で松浦を封じて逃げ切った機動力の裏付けがあってのこと。佐藤のガードで力を出し切れれば波乱を呼ぶ。
九州勢からも目が離せない。10月久留米での熊本記念を制している嘉永泰斗、11月武雄G3を優勝の荒井崇博、さらにタテ脚冴える坂本健太郎、野田源一、松本秀之介と粒ぞろいのメンバーだ。うまく混戦を誘えればどの選手も一発がある。
実力アップの長島大介が中心の関東勢も軽視は禁物だろう。7月高知記念での優勝のみならず21年後期は随所で存在感を発揮していた。F1戦をVラッシュで旋風を巻き起こしているルーキー吉田有希がいよいよ記念開催に登場する。長島の手綱さばきは注目される。