脇本雄がスピードで圧倒
腸骨疲労骨折が原因で、昨年10月の「火の国杯争奪戦」in久留米の2日目から欠場が続いていた脇本雄太。約4カ月ぶりの復帰戦となった2月奈良記念は1着。中四国勢5車の連係が奏功した決勝は力を発揮できなかったものの、勝ち上がり戦は圧勝している。二次予選は古性優、準決では松浦悠士を寄せ付けなかった。続く同月大宮は3連勝で復帰後の初Vをゲット。Gレースに比べるとやや軽い相手だったとはいえ、決勝は力強いまくりで別線を捻じ伏せ、冬場の重いバンクにもかかわらず上がりタイムは13秒6を記録した。更に調子の上積みが見込める今回は主役を演じる。
この大会連覇を目指す松浦も有力な優勝候補だ。2月奈良記念着で今年の初Vを飾ると、全日本選抜は着とオール連対の準V。更に3月名古屋記念は着で決勝に駒を進めたが、落車のアクシデントに見舞われていて、体調が浮沈の鍵となりそうだ。自力勝負、番手戦のどちらでも機敏に立ち回れるので、体調に問題がなければ連覇を達成する場面は大いにあろう。
昨年は玉野競輪場が施設改修で使用できず、この大会は広島競輪場で開催されただけに、地元勢はいつも以上に気合が入る。戦力も整っていて、自力型は取鳥雄吾、追い込み型は岩津裕介、柏野智典。取鳥の自力攻撃は破壊力抜群で、1月豊橋記念で優参、全日本選抜では3日目に1勝を挙げている。岩津は59、61、63周年と3Vを達成している地元の重鎮。松浦が加勢して中国ラインを形成なら強大な戦力となる。
昨年はタイトルホルダーの仲間入りを果たした吉田拓矢率いる茨栃勢も好勝負が見込める。地元で開催された全日本選抜は今ひとつ流れに乗れず3日目特選の1勝にとどまったが、1月立川記念でV、2月奈良記念は着など、力強い走りを披露している。吉澤純平、神山拓弥が盛り立てればラインも強固だ。吉澤も2月静岡記念3着、全日本選抜着と2勝するなど乗れている。
佐藤慎太郎はベテランならではの安定プレーを演じている。今年は1月和歌山記念から全日本選抜までオール優参し、2月静岡記念ではVをゲット。3連対率は驚異のジャスト9割を誇っている。今シリーズの北日本の上位陣は自力型手薄の不利はあるが、的確なコース選択と鋭い差し脚を発揮しての連食い込みには注意したい。
太田竜馬、香川雄介、橋本強の四国勢も忘れてはならない。先陣を受け持つ太田はここに来て調子を上げている。2月高知を3連勝し今年初Vをものにすると、全日本選抜では眞杉匠、郡司浩を次々破り二次予選、準決で勝ち星をゲットした。スピードの切れが良くなっているだけに怖い存在だ。メンバー次第では中国勢との連係も考えられるので動向からは目が離せない。