大会3連覇を狙う松浦悠
優勝候補は5指に余る大混戦のシリーズ。狙いは絞りにくいが、安定感際立つ松浦悠士が最も信頼できるとみて本命に推した。2月奈良記念で今年の初Vをゲットすると、全日本選抜着、ウイナーズカップ着とビッグレースでオール連対の連続準V。更に3月玉野記念も脇本雄に屈したものの準Vと健闘している。もちろん自力勝負で優勝を狙える状態にあるが、調子を上げてきた同県の町田太我との連係が叶うようなら展開の利を得られる可能性もある。町田とはウイナーズカップの毘沙門天賞で連係していて、吉田拓をねじ伏せて主導権を握った町田に乗った松浦が勝ち星をものにしている。この大会は70、71周年を連覇と相性がいいのも強調材料だ。3連覇を達成する場面は大いにある。
関東勢も戦力は充実している。平原康多、吉田拓矢のSS班コンビに加え、44歳ながら鋭脚誇るレース巧者の諸橋愛、持ち味の自力攻撃に一段と磨きがかかった長島大介。今年の平原は力強い走りを披露している。1月大宮記念、3月大垣記念はいずれも4連勝、全日本選抜、ウイナーズカップでもそれぞれ2勝していて、今年の勝率は57・7%と素晴らしい数字だ。自力勝負はもちろん、番手戦でも展開に応じて俊敏に立ち回るので、平原の単には魅力を感じる。
北日本勢も佐藤慎太郎、守澤太志と2枚のSS班を擁する。佐藤は今年も高いレベルで成績をまとめていて、決勝を外したのはウイナーズカップの1場所しかない。3月玉野記念は二次予選、準決と2勝、4月平塚記念で平原とラインを組んで着の動きも申し分なかった。チャンスがめぐってくればものにできる状態だし、どのようなメンバー構成になっても突っ込みには注意しておきたい。対照的に守澤はなかなか調子が上がってこない。落車の影響が尾を引いている様子で、本調子に戻るまでにはもう少し時間が必要か。自力型では小松崎大地に期待がかかる。全日本選抜は予選着、ウイナーズカップでは予選着でいずれも準決に乗っていて、ビッグレースで好走している。
九州勢は地元の荒井崇博、山田庸平に北津留翼と多士済々のメンバーだ。荒井はこの大会には素晴らしい実績があり、58、60、64、69周年と4Vを達成している。昨年11月のG3でも着と圧巻の強さを披露した。ただ、ウイナーズカップで落車しており、体調が浮沈のカギとなりそうだ。山田は全日本選抜こそ振るわなかったものの、3月松山では3連勝で今年2V目を達成。4月平塚記念着の二次予選で機敏に立ち回り、直線3番手から突き抜けたレースも好内容だった。北津留は成績に波があるが、地元勢に前を任されれば積極的に駆けそう。荒井とは3月小倉の準決、決勝でワンツーを決めている。その動向からは目が離せない。