短走路に実績がある清水裕
今年はウィナーズカップで連覇を果たしたものの、大きな数字も目立つように成績にはまとまりがなかった清水裕友。しかしながら、地元の11月防府記念で前人未到の4日制G3で同一大会5連覇の大記録を達成すると、競輪祭は一次予選を着でダイヤモンドレースにコマを進めた。ようやくコンスタントに力を発揮できるようになった印象だ。短走路には地元防府をはじめ実績があり、当所は19年のダービーで準Vと好走している。最後の最後で逆転されて5年連続でのグランプリ出場は叶わなかった以上はここに全力投球。優勝に最も近い存在とみて中心視した。防府記念の準決、決勝で清水に食い下がりワンツーを決めた桑原大志がここも山口ワンツーを目指す。
もう一人のSS班・吉田拓矢も競輪祭ではダイヤモンドレースに乗っている。前々と攻め好位を確保する持ち味を発揮した競走で一次予選を連勝した。今年のG3は3Vを飾っていて、うまくレースの流れに乗れれば主役を演じる可能性も大いにありそう。最近は伸びがいい同県の武田豊樹、位置取り、差し脚ともにしっかりしている武藤龍生が続けばラインも強固。
南関勢は戦力が整っている。岩本俊介、和田健太郎、鈴木裕の地元トリオに先行力際立つ北井佑季。中でも岩本は当所では素晴らしい成績を残している。この大会は70周年を制しているし、一昨年に当所で開催された千葉記念代替滝澤正光杯で優勝した。今年はGレースでのVはないものの、サマーナイトは❷着で準V、寬仁親王牌、競輪祭でも準決に進出するなど、ビッグレースでも自慢のスピードを遺憾なく発揮している。自力勝負でも十分に優勝を狙えるが、北井との連係が叶うようなら更に勝機は拡大しよう。現に10月京王閣記念の二次予選では、ジャンから駆けた北井に乗って勝ち星をゲットしている。和田は差し脚好調で、今期はF1戦ながら3Vを達成している。岩本とは京王閣記念の特別優秀でワンツー。逃げた岩本を和田が差し切った。南関勢のペースなら単望める。大崩れがなかった鈴木だが、11月静岡以降は動きに鋭さがないのは気がかり。北井は全国各地で先行力を猛アピール。9月平塚でS級初Vを飾ると、10月京王閣記念、11月富山G3で決勝に進出した。積極的な競走で南関勢をけん引する。
スピード非凡な新山響平を山崎芳仁、和田圭、阿部力也らが盛り立てる北日本勢にも魅力を感じる。先陣を受け持つ新山はここに来て調子を上げていて、競輪祭では待望のG1初制覇。超抜のデキに仕上げていた。グランプリ出場が決まってもここ出走ならいつも通りの積極的な競走で主導権は譲らない構えだろう。山崎は競輪祭の一次予選1で清水を破り勝ち星をゲットしている。阿部拓の逃げに乗ると、渡邉雄のまくりに合わせて踏み込んだ。新山が出走してくれば、北日本勢で連独占の場面は十分。