若手の挑戦を受けて立つ平原康
今年はビッグレースの優勝には手が届いていない平原康多ながら、記念開催で4Vを飾っていて、現在の獲得賞金ランキングは第7位。10年連続、13回目となるグランプリの出場権をほぼ手中に修めている。11月四日市記念6欠着、二次予選は果敢に駆けるも末脚を欠いてしまい、珍しく大きな数字を続けて取ったが、競輪祭に向けて調子を上げているはずであり、不安材料にはなるまい。中心視は順当だ。平原とは対照的に今年の宿口陽一は、宿口らしさを感じさせる競走が少なかったものの、10月京王閣記念でVをゲット。四日市記念は優参は成らずも着と2勝を挙げていて、ようやく上向いてきた印象だ。埼玉ワンツー決着は十分だろう。
関東では吉澤純平、吉田有希の茨城コンビも好勝負が見込める。今年の吉澤は充実していて、6月に地元の取手記念で優勝すると、オールスターでは約3年ぶりとなるG1優参を果たした。最近も寬仁親王牌は着で準決にコマを進めるなど、相変わらず力強い走りを披露している。吉田は全国各地で先行力を猛アピール。オールスター、共同通信社杯、寬仁親王牌と3大会続けて一次予選を勝っており、ビッグレースでも活躍している。吉田が先手を奪えば、吉澤が展開有利に抜け出す場面もありそうだ。
四国勢では68周年の覇者である太田竜馬の快速に期待がかかる。寬仁親王牌、11月防府記念と最終日の1勝に終わっているのは気になるが、オールスターのオリオン賞を勝った脚力は伊達ではない。仕掛けがツボにはまれば、大会2V目をものにしても不思議ではない。中四国スジで隅田洋介が太田と連係か。共同通信社杯、京王閣記念で失格を喫するなどリズムが良くないだけに、ここで流れを変えたいところ。
先陣を受け持つ山田久徳を稲川翔、南修二が援護する近畿勢も戦力に不足はない。山田は今年1月にこの大会を制していて、連覇をかけて再びの参戦となる。10月松阪記念では三谷竜のまくりを差して優勝、11月平塚の初日特選は深谷知の逃げを4番手からの3コーナーまくりで仕留めた。自在戦が冴え渡っており、うまくレースの流れに乗って自力を出せれば、首位に躍り出ることもありうる。稲川も最近の動きはいい。9月向日町記念、10月豊橋と続けて準V、寬仁親王牌では決勝に乗っている。チャンスが巡ってくればものにできる状態だ。
最近は好調時と比べるとスピードの切れが今ひとつの山口拳矢だが、共同通信社杯は敗者戦ながら2勝、寬仁親王牌でも2連対を果たした。好位置占めてのまくりなら勝ち負けに持ち込める。
嘉永泰斗、園田匠の九州勢も侮れない。嘉永は主武器のまくりは破壊力抜群で、10月熊本記念in久留米では3勝を挙げるなど、直近4カ月の勝率は33%を誇っている。展開がもつれると一発怖い。
今年は好不調の波が少ない和田真久留も忘れてはならない。スピードを活かしたまくり、差しは威力がある。