圧倒的な存在感放つ平原康
この大会では素晴らしい実績を残している平原康多。昨年は3連覇を達成し、優勝回数も9まで伸ばした。3日制(前後節)の記念では、グランドスラマー・井上茂徳氏の武雄記念11Vがあるが、4日制の記念では、同一大会の優勝で2ケタに乗せた選手はいない。昨年は10年連続、13回目のグランプリ出場を果たしていて、不惑を迎えても輪界を代表するオールラウンダーの評価に変わりはない。同県の宿口陽一、森田優弥、武藤龍生や、先行力際立つ吉田有希らとの連係から勝機を見い出し、地元ファンの期待に応える。宿口、武藤は両者ともに昨年は決勝に乗っている。逃げた黒沢征治の番手からまくった宿口は4着、平原マークの武藤は3着だった。今年は平原とワンツーを決めるか。昨年はビッグレースでも先行力を猛アピールした吉田。ヤンググランプリでは、後続の菊池岳に差されたものの、3番手確保してのまくりで準Vと好走している。地元勢に前を任されれば強気に攻める。
地元勢を撃破すれば、連係実績が豊富な郡司浩平、深谷知広の南関コンビだろう。昨年後半の郡司は自力攻撃が冴え渡り、競輪祭❷着など、直近4カ月の連対率は8割に迫る勢い。グランプリは豪快にまくった脇本雄、古性優の近畿勢にスイッチするも3着。連には絡めなかったが、優勝した脇本が強すぎた印象で、郡司の伸びは悪くなかった。深谷との連係が叶うようなら、いつも通り前を任せよう。深谷は溢れるパワーを遺憾なく発揮して別線をねじ伏せている。昨年は8月小田原記念を含み5Vを達成した。豪快な仕掛けで主導権を握れば、郡司が首位に躍り出る場面は十分だ。
北日本勢も佐藤慎太郎、新山響平、高橋晋也と戦力は整っている。昨年の新山は競輪祭で北日本作戦を実らせて優勝し、タイトルホルダーの仲間入りを果たした。北日本4車ラインの先頭を任されたグランプリは、赤板過ぎから先行態勢に入る積極的な競走を演じている。ここも先頭を任されれば、主導権奪取に全力投球しよう。昨年の佐藤は4年連続となるグランプリ出場を果たした。ベテランならではの安定プレーを披露していたが、11月防府記念の決勝で落車した影響がまだ残っているのか、最近の動きは今ひとつの感がある。
井上昌己、中川誠一郎、中本匠栄、岩谷拓磨と九州勢も駒数はそろっている。井上は12月小倉では、弟子の平尾一の逃げに乗っての番手まくりで最終戦をVで締めていて、自慢のスピードは相変わらずだ。中本も競輪祭では準決進出、12月伊東記念は優参していて差し脚好調。ただ、岩谷は競輪祭で落車した後は欠場が続いているので、体調には一抹の不安が残る。