主役は豪脚誇る脇本雄
昨年は輪界初の3億円レーサーに輝いた脇本雄太。今年も1月和歌山記念、同月豊橋記念を8連勝と圧倒的な脚力で別線をねじ伏せていたが、2月奈良記念は初日特選で先行して2着、2日目から急性腰痛症のため欠場した。全日本選抜は体調に不安を抱えながら、初日特選は清水裕の逃げをまくった新山響を、更に上がりタイム13秒6の超速まくりで飲み込んだ。しかしながら、スタールビー賞はジャン過ぎに先頭に立つも、あっさり叩かれ9着。日ごとに状態悪化に苦しめられていたが、準決はしのいで優参したように底力は群を抜いているだけに、8割程度の調子なら豪脚を発揮して人気に応えるとみた。攻め口多彩な山田久徳、ガッツマーカーの南修二が脇本に続いて近畿ラインを形成する。山田は昨年の競輪祭の一次予選2では、脇本の逃げを上がりタイム10秒9の差し脚で交わした実績がある。
昨年は共同通信社杯を含みGレースで4Vを達成し、43勝を挙げて勝率は5割に迫る勢いだった郡司浩平。今年も力強い競走を演じていて、2月静岡記念❶着では今年初Vをゲットしている。相変わらずスピードの切れには素晴らしいものがあり、打倒脇本の一番手だろう。同県の松谷秀幸、福田知也が郡司を盛り立てる。福田は当所は好相性で、昨年の10月にG3初Vをものにしている。
昨年はG1戦線で存在感を示した守澤太志。寬仁親王牌で準V、ダービー、オールスターはいずれも決勝3着に入っていて、G1優勝も視野に入ってきた感がある。全日本選抜の準決では、新山響との連係が外れるもタテ脚発動で見事なリカバリーを見せて2着で決勝進出。そして、決勝もコースを突いて伸びる守澤らしさを発揮して準V北。日本勢の上位陣は機動型が手薄なので、位置取りが浮沈の鍵となりそうだ。
地元勢はこの大会には実績があり、渡部哲男は55、69周年、松本貴治は71周年を制している。今年はSS班を明け渡したが、4年連続でグランプリに出場した実力者の清水裕友、レース巧者の香川雄介も控えていて、中四国勢の総合力はかなりのもの。エース格の清水は持ち味の自力攻撃が冴えている。全日本選抜の二次予選は吉田有を内に封じ込めてのまくりで、逃げた岩本俊をねじ伏せた。渡部は1月豊橋記念1着の伸びは悪くなかったし、松本も1月当所1❸着などまずまずの調子だ。香川は全日本選抜で、4年ぶりとなるG1優参を果たしている。
ダークホースは快速誇る坂井洋か。全日本選抜では二次予選で敗退も、3日目は上がりタイム13秒7の超速まくりで勝ち星をものにしている。1月豊橋記念では準決、決勝と続けて脇本に完敗を喫しているだけに、リベンジを期して気合も入る。動向には注意したい。