Ｇ１レースが新設され、23年度より新体系で実施されるガールズビッグ戦線。その新年最初の特別となる。本命は世界の佐藤水菜だ。五輪の出場枠を巡るポイント争いも始まって今は競技に専念しており、グランプリ以来の実戦になる。だが、これまでもそうだったようにレース勘やハードスケジュールの疲れは心配無用だろう。ネーションズカップ第１戦のケイリンで金メダルを獲得した脚と勝負度胸は一枚も二枚も上。他の全員が佐藤の動きを意識する中、自分の好きなタイミングでスパートして押し切ろう。グランプリでの落車、昨年大会でまくり届かず２着だった借りを返す。僚友の太田りゆは実戦経験が乏しいのがビッグレースで結果を出せない要因になっているが、そろそろポテンシャルをフルに発揮なら佐藤にも迫りたい。

　迎え撃つ選手では柳原真緒、小林優香。新女王となった柳原は今年も６場所で14勝、２着４回。ほぼ勝ちっぱなしでプレッシャーも力に変えてさらに成長している。勝負所を外さずに一撃を放てば好勝負。ナショナルチームを卒業する原因となった怪我の影響もなくなった小林にとって今年のテーマは“女王奪還”。新年初戦の１月小倉ＭＮ決勝で２着になった以外、全て勝っていて競輪に専念すればレベルが違う。自信を持って踏み出し、スピードに乗ってしまうと止まらない。

　尾方真生も今年最初のトライアル戦がダメだった以外は白星街道。経験も積んでそろそろ大仕事にも期待したい。鈴木美強も怖い選手だ。長い距離も踏み切る地脚が武器だが、自在、追い込みタイプがいないこの一戦では器用な面が生きてきそう。要注目だ。

　児玉碧衣は大怪我から僅か１カ月で復帰も、まだ復調途上といった走り。児玉らしい豪快な競走が見られるのはもう少し先では。