• 別府競輪場 第7回ウィナーズカップ3/18〜3/21

後記 GⅡ 別府 03/18

ここが今年のスタートライン

松浦悠士

松浦悠士

決勝優勝写真
決勝優勝写真
決勝優勝写真

 ゴール直後に右の拳を握りしめて優勝を確信した松浦悠士は、もう一度拳を雨空に突き上げると、今度は両手でガッツポーズ。クールな松浦が、気持ちをあらわにした。
 「新田(祐大)さんがコケてしまったなかで、ガッツポーズをしてしまった。申し訳ない気持ちでした。ただ、苦しかった分、いつもよりうれしさがありました」
 4年連続のS級S班。このウィナーズカップで通算7度目のビッグ優勝。松浦にとっては、見慣れて景色と思われても仕方がないが、今シリーズは並々ならぬ思いだった。
 「ここで結果を出さないとっていう思いをもってきた。最低でも(決勝で)2着以内に入らないと、今シーズン戦えないんじゃないかっていうのがありました。結果が出てうれしいです」
 前回の松山記念は優出こそ逃したものの、松浦のなかではつかんでいる手ごたえがあった。
 「脚の感覚は(前々回の)全日本選抜からずっといいっていう感じだった。あとは迷いがなくなった。松山でそういうのが吹っ切れたっていうのが大きかった」
 20年に優勝したウィナーズカップは、今シリーズで5年連続の決勝進出。一昨年は3着、昨年は2着で連覇した清水裕友とともに表彰台に上がった。しかしながら、今シリーズは清水の名前が出場者にはなく、中四国勢として、ただ一人の優出だった。
 「(ウィナーズカップは相性がいいんで)なんとかなるかなっていう感覚はあった」
 レースは、カマした新山響平が嘉永泰斗を叩いて北日本勢の主導権。そこに最終ホーム手前から古性優作が襲い掛かった。
 「古性君が残り1周の時点では、必ず仕掛けると思った。そこにスピードをもらってから内か外かっていう感じでは思ってました」
 思惑通りの流れも、古性に押し込まれた新田祐大が落車のアクシデント。近畿勢を追いかけるように外にいた松浦は、落車を避けて瞬時に脇本雄太の動きを見極めて内に進路を取った。
 「落車ははっきり誰がコケたとかもわからなかった。ただ、自分の方に飛んでこないでくれって。一瞬、脇本さんの外に行きかけたんですけど、外に行ってたら合わされる。内しかないと。あの辺の判断とかは結構、瞬時にできたんじゃないかなと」
 松浦らしいスムーズな運行で脇本のインをすり抜けると、4コーナーでは古性の外に持ち出して伸びて優勝。これで賞金を大きく加算。今年のグランプリチケットをかけた争いのスタートラインに立った。
 「(グランプリは)タイトルをもって出るのが一番いいんで、そこを目指しながらですね。自力で動いてはないんですけど、しっかり要所の判断と最後に脇本さんに踏み勝てたところ。そういうところでは自信が取り戻せた。しっかり自力で戦えるように、もっと組み立ても考えながら今年1年間を戦っていきたいです」
 今年は中四国勢のS級S班は松浦一人。“有形無形”大きなものを背負いながら、松浦が今年の一歩を遅まきながら踏み出した。

 古性後位で挑んだ決勝の脇本雄太は、不慣れなマークながらも懸命に古性の動きに対応。松浦にすくわれて最終2センターでは外に浮いたが、最後は持ち前の脚力で2着に追い込んだ。
 「古性君は理想的な仕掛けをしてくれたし、それに応えられなかった悔しさが残る。(最終)バックの落車のところも対応しないといけないし反応が遅れた。古性君の後ろは勉強になったし、今後につながる。(今後も)対戦相手などを判断して、どっちの並びがいいかも判断していければ」

 最終バック手前で新田が落車。寸前のところで避けた守澤太志は、立て直してしぶとく伸びた。
 「脇本君を飛ばす感じで待っていたけど、(落車があって)新田君の方に寄っていってしまった。真っすぐ走っていれば、(新山)響平の後ろに入れて、優勝できたと思うし、その判断がまだまだでした」

Race Playback

レース展開4
 俊敏に立ち回った松浦悠士選手がシャープに伸びてV。古性優作選手マークから追い込んだ脇本雄太選手が2着、守澤太志選手が3着。

レース経過

誘導員 : 小岩大介

 嘉永泰斗-山田庸平、古性優作-脇本雄太、松浦悠士-福田知也、新山響平-新田祐大-守澤太志での周回を重ねる。 赤板周回を経過しても隊列に変化なく、1センターに入ったところで新山がスパート。これに合わせて嘉永も一気に踏み上げるが、新山は2センターで嘉永を叩いて先頭に立つ。スピードが合わなか嘉永は飛び付きも叶わず4番手まで下がり、これを見届けるや古性がすぐさまホームまくりで北勢を襲う。一瞬口が空きかけながら脇本が古性に続き、その後位には松浦。2コーナーで並び掛けてくる古性を新田が再三ブロック。だが、古性は止まらず、新田の方がバックで落車してしまう。それでも古性は新山をねじ伏せに掛かるが、新山も激しく抵抗。直線半ばで古性はようやく新山を交わすがそこでもういっぱい。落車で守澤がバックを踏んだ隙を見逃がさずに内に切り込んだ松浦が外の脇本も制して古性を追っていて、ゴール前一気の伸びで優勝を飾った。2着、3着には脇本、守澤が入る。

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