新田祐が超速を発揮
日本選手権競輪の結果で多少は評価が変わってくるかもしれないが、北日本のエース・新田祐大を中心視するのが順当だ。輪界4人目のグランドスラマーとなった新田は、称号に恥じない競走を演じている。今年は初戦の1月立川記念で4連勝とスタートダッシュを決めると、全日本選抜、ウィナーズカップはいずれも決勝に進出。その後も4月高知記念で2V目をゲットし、同月小田原記念では❷着。世界の舞台で活躍したワールドクラスのスピードは相変わらずだし、位置取りにも意欲を見せているので、成績は安定している。先頭で戦っても番手戦でも不安はない。今年はまだ優勝には手が届いていない守澤太志ながら、成績を高いレベルでまとめている。全日本選抜❷着、ウィナーズカップは❸着など、いつタイトルをものにしても不思議ではない状態だ。北日本勢がレースを掌握なら首位に躍り出る場面も大いにありそう。
郡司浩平が北日本勢の前に立ちはだかる。全日本選抜、ウィナーズカップはいずれも決勝を外していて、今年はビッグレースこそ結果が出ていないものの、G3は5場所すべて優参して2月静岡記念、4月小田原記念の2Vをゲット。調子そのものに問題はない。和田真久留とのタッグで神奈川ワンツーを狙う。その和田は4月小田原記念1着。準決は目標にした北井佑が不発で決勝を外したが、3勝をあげたように動きは良好だった。前後はメンバー次第か。
豊かなスピードを活かした自力攻撃が冴え渡る犬伏湧也の単にも魅力を感じる。全日本選抜で着と3勝し自信を付け、3月大垣記念では豪快なカマシを決めてG3初Vを達成。更にウィナーズカップは2連対、4月高知記念は決勝進出と勢いがある。仕掛けがツボにはまればSS班を撃破してもおかしくない。小倉竜二が孫弟子の犬伏を盛り立てる。3月高知、4月取手は続けて準V、同月松山では岩谷拓の逃げを利して優勝していて、47歳の大ベテランながら差し脚はしっかりしている。徳島コンビで連独占は考えておきたい。
駒数そろった関東勢も侮れない勢力だ。宿口陽一、武藤龍生の埼玉勢に吉田有希、杉森輝大、雨谷一樹の茨栃勢と実力者が名を連ねる。注目を集めるのは吉田だが、地元の4月取手で着と凡走したのは気になる。スピードの乗りが悪かっただけに、どこまで修正できるかが浮沈の鍵となりそうだ。本来の先行パワーを発揮なら関東勢も好勝負に持ち込める。
最近は素晴らしい動きを披露している嘉永泰斗にも食指が動く。2月奈良記念あたりから上向きで、ウィナーズカップでビッグレース初優参を果たすや、4月四日市G3は準V。F1戦では3月大宮、4月松戸はいずれも3連勝を達成した。中本匠栄は全日本選抜の一次予選で、嘉永のまくりを差して熊本ワンツーを決めている。