連覇を目指す脇本雄
昨年はグランプリ、ダービー、オールスターを制し、輪界初の3億円レーサーに輝いた脇本雄太。トップスピード、加速力、航続距離と3拍子そろった脚力は、輪界トップであることに異議を唱える人はいないだろう。だが、2月奈良記念の2日目から急性腰痛症のため欠場した後は、なかなか体調が上向いてこない印象がある。4月高知記念では着、珍しくG3で決勝を外した。準決は町田太我の逃走劇の前に、なすすべなく敗れている。万全な体調での参戦は難しいかもしれないが、8割程度の体調で参戦できれば、昨年に続き連覇を達成するとみた。盟友の古性優作も体調が気になる。昨年に続き今年も全日本選抜で優勝し、真っ先にグランプリの出場権を手中に修めるなど、快調なペースで飛ばしていたが、ウィナーズカップの後は4月四日市G3、小田原記念を欠場した。だが、修正能力の高さには定評があり、G1はきっちり仕上げての参戦が多い。ダービー初Vを達成しても不思議ではない。
地元の南関勢は郡司浩平、松井宏佑、深谷知広らスピード豊かな機動型がそろった。エースの郡司は地元戦では素晴らしい成績を残している。21年に川崎で開催された全日本選抜で優勝、G3は川崎4V、当所1V、小田原4Vと計9Vを達成している。4月小田原記念では今年2V目をゲットしていて、いい流れで臨めるのもプラス材料だ。深谷はここに向けての練習疲れがあって最近は一息不足の場所が続いていたが、4月小田原記念の決勝では、郡司を優勝に導く怒涛の先行を演じている。今年はすでに3Vと結果を出しているので、14年の寬仁親王牌以来となるG1優勝もありそうだ。
北日本勢は強力な戦力を誇る。新田祐大、守澤太志、新山響平、佐藤慎太郎のSS班4名に百戦錬磨の成田和也。グランドスラマー・新田のスピードは相変わらずだし、位置取りにも意欲を見せている。全日本選抜、ウィナーズカップで決勝進出、記念で2Vと成績も安定している。チャンスが巡ってくればものにできる状態だ。守澤は全日本選抜で準V、ウィナーズカップは決勝3着など、高いレベルで成績をまとめている。そろそろG1で主役を演じてもおかしくない。
中四国勢も好勝負が見込める。ウィナーズカップで優勝した松浦悠士は、その後も3月玉野記念、4月高知記念と続けて準V。今年の滑り出しの不振からは完全に抜け出した感がある。町田も4月高知記念1❸着、同月小倉❷着と調子を上げてきた。3月大垣記念で豪快なカマシを決めてVの犬伏湧也にも魅力を感じる。
平原康多が束ねる関東勢も拓矢、有希の吉田兄弟、眞杉匠、坂井洋と健脚ぞろい。中でも眞杉は、2年続けて優参を果たしているようにこの大会は相性がいい。